オーディオ・ベースマン見たり聴いたり ラックスマン D-10X・・ピントが合って欲しい…。

ラックスマン SUPER AUDIO CDプレイヤー・D-10X。定価120万円ほど。一聴すると「キラキラ」光沢のあるような音質だったが…。

トレイにCDを「ポン」とは置けない。少々、端を差し込み、イジェクトスイッチを押す。

明るめの音調。帯域が広く、解像度が高い。低域は、下の方まで伸びている感じはないが、高域は、かなり上まで伸びている。そのため、帯域が広い印象を与える。低域から高域まで、高解像度。色々な楽器の音が聴こえる。特に、中高域から上をキレ良く分離、分解。中々、聴きとりにくい、弦楽四重奏の第一ヴァイオリンと第二ヴァイオリンの音階の変化を明瞭に再現。中高域の解像度の高さが、明るめの音調表現に寄与していると思われる。高SN比とは言い難い。音楽の背景に「澄み切った」とか「無音空間」といった要素は感じない。「高域が伸びている」と書いたものの、最高域あたりで「キレイな音の中に滲み」のような違和感を生じさせる場面もあった。低域から、中高域にかけて、エネルギー密度が低い。そのため、高コントラストでフォーカスされ、ピントのバッチリ決まった「クッキリ」とした音の輪郭といった要素が聴こえてこない。したがって、彫りの深い、奥行きのある音像表現も得られない。音の出だしも遅い。高域表現には聴くべきものがあるだけに惜しいというのが、試聴の印象だ。もう一仕事欲しい。

力を抜いた音調ともいえ、個性的、神経質な音が苦手で、オーディオ的音質を求めない向きには合うかもしれない。他社製品の音を思い出しながら、印象を言葉にすると、アキュフェーズ DP-900・DC-901が「律儀」、ソウルノート S-3が「スパルタン(質実剛健)」、D-10Xは、「大雑把」といったところか。