オーディオ・ベースマン見たり聴いたり アキュフェーズ試聴会 その⑤・・アキュフェーズのアンプの性能は変わらない。
- 2025.06.22
- オーディオ

リファレンスとの比較試聴。今、アキュフェーズの新製品は前作ではなく同社の最上位機種との比較で評価している。アキュフェーズの製品化への流れは、大まかに、開発者達が作った製品の①設計と製品の生産に必要な原価(コスト)を確認、②その音質を猪熊隆也・常務取締役がチェック、③役員による試聴、④営業による最終の製品の検討が行われる。この流れの中で社員による製品の比較試聴が行われ、各自各々(かくじおのおの)、具体的にどのように音が聴こえたか、感想を報告する作業、義務が含まれている。
C-2300はC-3900との比較試聴が行われた。試聴は必ずブラインドで実施される。音が、「C-3900より良かったと半数以上が思わないと通過できない(鬼頭)」というのがアキュフェーズの製品の次の工程に至る判断。かなり厳しい。その全社員の試聴。「比較試聴して(意見)が割れる方がいい。(良判定が全員一致と)揃(そろ)うと(販売が)良くない」と鬼頭さん。訊ねるのを忘れたが、社員が判定する時には、チェック項目がありそこに聴いた時の印象を記述する欄があるのだろう。というのは「(比較試聴では2300と3900の音の)違いがどう違っているのかを聴く。弱点はあるのか?。いい所を探し(その結果)トップと比べ引けを取らない。十分にいける(と評価を下される)まで繰り返し行われる」と鬼頭さんが言っていました。そしてその判定には、常に「これからのアキュフェーズはこうなっていきますよ。(そういった要素を含んだ)アキュフェーズにふさわしい音(猪熊常務)」と言った雰囲気が新製品には欲しいみたいだ。最後に営業部が「(市場に)アクセプト(受け入れ)してくれるレベルか?」を議論。さらに「良い音だけではなく(いかに)受け入れられるか?」といった機能、使い勝手、所有欲まで満足させられるかも追求するようだ。営業部としては「(アキュフェーズの)今のラインナップされているアンプの性能は変わらない」とし「(新製品は)どこに違いがあるのか?」をしっかり聴かせる製品であることを確認する。そうした事を踏まえ「(新製品の)音色の違いを皆様にとどけたい」としている。
(注)「(アキュフェーズの)今のラインナップされたアンプの性能は変わらない」・・・SN比とか、ウーハーを動かしたり、止めたりするダンピングファクターなどの性能は数字として出てくるが聴感上では優劣の判断ができない段階までアキュフェーズの技術は来ていると思う。だから性能は変わらない。金額が違うだけ。その金額、細かい表現が出せるかどうかで変わると思った方が素直。それは性能でなく表現の話。表現は各自の好みで変わる。疑問に思われる方は、この部分は試聴会時にアキュフェーズの方に訊ねてください。
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