オーディオ・ベースマン見たり聴いたり アキュフェーズ E-380 その①・・”儀式”の必要はありません!?。

アキュフェーズ E-380。定価45万円。同社のAB級アンプは、A級アンプと違い、”儀式”にさほど気を遣わなくてもいい。E-380は、常設です。

E-800の試聴の後で鳴らしたが、聴き劣りすることがなかった。逆に、高SN比を実感させてくれる。音楽の背景が澄み切っていた。

くもり、くすみが発生しない高SN比を背景に、音の出足が速いスピード感、音場を解放的に広げるキレのあるパワー。帯域全体でダンピングを利かせ音の輪郭をシャープに形作る。解像度が高く音の分離も明快だ。低域から高域までノン・ストレスで音が伸びきる。AB級アンプの魅力はこの辺にあるだろう。遠近感、立体的な音像、繊細な倍音表現、微妙な合奏のニュアンスといった要素は求められないが、それを気にする必要がないほど再生された音楽に魅力的な高揚感を感じる。また、音の輪郭を克明に描き切る下位モデルのE-270をナチュナルな音質にしたような印象。

オーケストラ、大編成の大きなジャズバンド、規模の大きな合唱団を聴くなら、AB級アンプに限ると思う。

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・・とある居酒屋。節(ふし)が浮き出た飴色の一枚板のカウンター。長年、酒、油、料理の汚れが絶えず拭き取られ、くすみ、黒光りしている。隣に座った男性二人。そろそろ、年金が満額受け取れそうな年齢。二人の会話が聞こえてきた。

「おれさ、若い頃、よく音楽を聴いたんだよね」。「ああ、おれも、そうだった」。「それでさ、おれ、奮発して高いアンプを買ったんだ。アキュフェーズっていうんだ。知っている?」。「?」。「なんだ知らないのか。高級メーカーなんだけど。それがさ、そのメーカーから、毎年、年賀状が40年以上きてんだよ!」。「へぇ~」。

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アキュフェーズからの年賀状。毎年、楽しみにしている方もいらっしゃるかと思います。