オーディオ・ベースマン見たり聴いたり アキュフェーズ試聴会 その④・・C-57の音は図太い。

オーディオ・ベースマン見たり聴いたり アキュフェーズ試聴会 その④・・C-57の音は図太い。

アキュフェーズ・ステレオ・フォノ・アンプ・C-57。価格は825,000円(税込)ほど。試聴会の休息中。店主、猪熊常務、営業の鬼頭さん。三人の何気ない会話。店主が「C-57は、(カートリッジの針がレコード盤をトレースした時に発生する)プチパチノイズの音がハッキリしている。(しかも)早い」。音は音だが、楽器とか人の声といった音でなく、雑音の話を言い出した。

ウィーンのモーツァルト・第一集。ウィーン室内合奏団録音総監督・若林駿介

それを受けて猪熊常務。「(C-57は)アナログらしい音とは?(という事を念頭に置いて作りました)、古いの(過去の機種)は音が細い。(今回は)図太く(注)太い音(を目指しました)」。そうしたら「レコードの(音の)良さが出た」。鬼頭さん。過去の機種の特長を振り返って「C-27は、(フォノ・アンプの)性能をガリガリに追い込んでた。が、半導体の音になった。(社内での評価は)賛否両論ありました」とまず、C-27の特長を説明。続いて「C-37は、CDにないようなアナログの魅力を(繰り返し)聴き込んで作った」といい「C-27では、性能、37は音質(を求めました)」とまとめた。そして、C-57に触れ「(カートリッジから)入ってくる信号は小さいのですが(過去の機種より)C-57は敏感に(信号の音が)出ます。(そのため、接続)ケーブルの特長が出ます」と締めくくった。

ウィーン室内合奏団のレコード、これまで、第一ヴァイオリンのウェラーさんのヴァイオリンの高い音の再生が不満だった。今回のシステムで聴いたら、満足度の高い再生音。これまで指で弦を抑えきってない甲高い音に聴こえたヴァイオリンの音。運指(うんし、英: Fingering、フィンガリング、指使い・ウィキペディアより)がシッカリ使われ、クッキリと正確な音程で聴こえた。傍らで三人の話を聞いてC-57の能力がそう聴こえさせたのだと確信した。

(注)猪熊常務はこの言葉を、「ちょっとやそっとでは、びくともしない」という意味で使ったと思います。

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カタログを見ると「C-57は外来ノイズに効果的なフル・バランス構成の~」とある。オーディオ機器の説明で採用した技術の解説で頭に`バランス´という単語が使われ、バランス接続、入力、出力、伝送、回路などという言葉が良く出てくる。バランスとは何ぞや?。ウィキペディア(Wikipedia)から引用させてもらうと「平衡接続(へいこうせつぞく、balanced line)とは、音響や有線通信の回線にて、等長かつ等間隔の2本の電線の1方に元の信号を、他方に正負反転させた信号を流す方式のこと。 差動信号 (differential signaling) ともいう。2本の電線はどちらも接地されない。受信側で2信号の差を取ることで、配線起因のコモン・モード・ノイズを消すことを前提とする、耐ノイズ特性を備えている」とある。

自己流で解釈して書くと「バランスは、送った信号の雑音を減らすことができる。雑音が減るのでオーディオ的にはスピーカーから出てきた音楽の音が「ハッキリ、クッキリ、スッキリ」となるということ。が、欠点がある。信号を送る際、電線(経路かな?)が2本、信号を受けるアンプが2個必要となってくる。つまり、部品が増え信号伝送回路が大きくなるという事。アキュフェーズ試聴会その②のアイキャッチ画像。抵抗体を使ったボリュームに比し、真ん中のE-800に組み込まれた「Balanced AAVA」の面積はなんと広大な事。この回路、アキュフェーズがなんとかこのサイズにまとめ、筐体に収める事が出来た。また、ここで技術がある。「実装技術」。書くと文章が長くなり読むのが大変なので興味がある方はネットで調べてアキュフェーズの`執念´…、あっ、もとい。`努力´に感動して下さい。まさに、「アキュフェーズの音=技術」。