オーディオ・ベースマン見たり聴いたり ルーミン(LUMIN)のネットワークプレイヤー その②・・「足るを知れ!」。

オーディオ・ベースマン見たり聴いたり ルーミン(LUMIN)のネットワークプレイヤー その②・・「足るを知れ!」。

ルーミン(LUMIN)のネットワークプレイヤー、ルーミン P1、同P1 MINI 同U2。三機種の比較試聴はお客さまの試聴希望を受けたもの。ネットワークプレイヤーの音質には懐疑的だった僕だが、試聴してその音質には驚かされた。当然、現行のベースマンのリファレンスとの比較試聴も行った。アキュフェーズ・C-3900+DP-900/DC-901の音質には及ばないものの「この音質ならP1の選択もあり」と感じた。感心した。感心するとともに、いまだにネットワークオーディオシステム構築は難しいものと感じざるを得なかった。試聴実施には、本格的なネットワークオーディオシステムを構築されているベースマンのお客様、Bitppさん の協力が不可欠だった。感謝をしたい。2024 9/21日 追加。Bitppさんから投稿があり、この記事には間違いがあるという指摘がありました。重ねて申し上げますが、そのへんの事を考慮に入れてお読み下さい。

アキュフェーズ・E-370。中古品。価格は問い合わせのほどを。

その①に書いたが、ネットワークオーディオで今回聴いた音質に到達するには三つの知識が必要。① 情報処理技術の知識 ②オーディオ的知識、③実際の楽器、人の声と録音され再生されたそれらの音の違いを理解できる知識。やや具体的にどのような知識が必要かというと、僕、ネットワークオーディオの知識は皆無なので上手く説明できない事を承知で読んでください。①は、設定。操作機器のスマホやタブレット端末からプレイヤーを操作できるように設定しなければいけない。一番、多い問題が音がでない事。整理。ダウンロード、CDをリッピングした音源を整理しなければ、音源がどこにいったかわからなくなってしまう。これらの処理技術に慣れていても失敗する事があるみたい。②、アキュフェーズ・A-80とP1のバランスケーブル接続時、3番ホットでなく2番ホットにA-80を切り替える。僕、3番ホット、2番ホットの意味が未だに分からない。お客様のBitppさんが言うにはLANケーブルとUSBケーブルの性能がネットワーク・オーディオ・プレイヤーの「キモ」だと言う。そのケーブルの吟味も重要。ハブという雑音を取る機器も必須。こういったオーディオ的知識が必要。③、ソニーによれば、「ハイレゾリューション音源は、音の量、つまり「音の太さ・繊細さ・奥行き・圧力・表現力」が段違い。アーティストの息づかいやライブの空気感など、CDでは聴こえなかったディテールやニュアンスを感じ取れるのがハイレゾなんです」との事。情報処理技術を駆使して、オーディオ機器を吟味してハイレゾ配信をダウンロードし、無事に音楽がスピーカー(SP)から流れてきた。それはそれでいいだろう。が、本当に実演に近い音がでているのだろうか?。「な~に、そんな事、別にいいじゃないか。部屋で一人で聴くんだから」という方もいると思われる。それは結構だが、そこを一歩踏み込んで、「どこまで実演に近づいた音なのだろうか?。どこに違いがあるのか?」。それを知ることが一番面白いのではないのだろうか?。

CDとCDリッピングを音源としての比較試聴。聴いたのはヴァイオリニスト・ヒラリー・ハーン演奏のストラヴィンスキーのヴァイオリン協奏曲。その印象は、CDの演奏。ヴァイオリンの音色が「山の端から注がれる日の出の光は柔らかく、優しい。太陽は輝きを増しながら天空の頂点を目指しそこに達すると輝きの絶頂を迎え鮮烈な光を降り注ぐ。しかし、時間の経過とともに陽は傾き徐々にその輝きが衰える。天空を照らし続けた太陽はその力を失い次第に闇が忍び寄る。やがて、黒みかかった赤い太陽となり山影に沈む。暗黒の夜が始まる」といった感じ。ストラヴィンスキーのアニミズム、シャーマニズム、バーバリズムといった原始的、土俗的自然観、宗教観を彷彿とさせる極彩色に彩られた鮮烈な曲の印象を聴き手に届け、魅了する。「さすが超絶技巧のヴァイオリニスト。ただ、ただ、唖然とする」。P1の演奏、ちょっとその勢い、輝きが後退。太陽の色のコントラストが不足する。「いいヴァイオリニストだ。この演奏でもいいかな」という感じ。U2+C-3900。演奏の鮮烈な印象は薄まるが「弾いているヴァイオリニストはいい腕のプロだな」。P1 MINI。メリハリがなく、まったりした演奏。「楽譜通りに弾けてる。いい腕をした素人だ」。

試聴を希望した方は、「私はもう年です。レコード、CDもありますがそれらは(年齢を考えるとそれらの音源の整理の問題、始末の方法など生活の)負担になってます。音楽は聴いていきたいと思います。そう考えた時にネットワークオーディオは魅力があります。ちょっとお勉強しなければなりませんがそれは大丈夫です」といっておられました。そして、最後に、リヒャルト・シュトラウスの歌曲「4つの最後の歌」の最後の曲をリクエストされました。自分の人生への諦観、すなわち満ち足りていた過去の記憶と何も望まない今。歌唱はエリーザベト・シュヴァルツコップ。・・・僕、この曲はリーザ・デラ・カーサのCDで聴いてます。名曲を名演奏で聴き比べ。手元の端末をスワイプするとすぐ可能なところが、ネットワークオーディオの醍醐味。