オーディオ・ベースマン見たり聴いたり アキュフェーズ・A-48S・・真空管アンプの良さをトランジスタで…。

オーディオ・ベースマン見たり聴いたり アキュフェーズ・A-48S・・真空管アンプの良さをトランジスタで…。

アキュフェーズ・Class-A・ステレオ・パワーアンプ A-48S。価格88万円。同社・パワーアンプ・A-80との比較試聴。評価はA-80を③として。19日(土)、20日(日)に行われた試聴会において、A-80との比較試聴は実施しておりません。行われたのはAB級・パワーアンプ・P-4600との音色の違いの解説です。A-80は、出番がありませんでした。通電時間も短く、僕が比較試聴のため一時間ほど聴いただけです。その辺を斟酌して、参考程度に読んでください。今回、試聴会にアキュフェーズからお借りした、C-2300、P-4600、A-48S、DP-770、DP/DC-1000、E-700、PS-1250、DG-68は今月一杯、ベースマンで試聴可能です。じっくり聴いてください。

同社営業の鬼頭さんが試聴に使ったCD。トラック①、ベートーヴェン交響の第五番の第一楽章。三分ほどの演奏時間。

帯域の広さ・②。解像力・③。音の背景の静けさ・②。高域表現(伸びすぎず、詰まらず)・②。中間表現(膨らまず、こもらず、痩せず)・④(⑤でもいい気がする)。低域表現(締まり)・③。コントラスト・②。制動力(歪みがない感じ)・③。透明感・②。繊細性・③。質感・密度・低域と高域が②、中間は④(⑤でもいいかも)。音の輪郭・A-80より自然。音の出足、少し遅い 。音の鮮度・極(極=A-80、特 上 並)。デザイン・③。音楽の感銘度・③。特長音の出足はA-80より遅くとも「フッ」と素直に、軽やかにでる。低域から高域までの音の繋がりの自然さ。中域の伸びやかさ、音の背景の静けさ、滑らかさ。難点、A-80より音に力がない。特に低域。高域が伸びきらない感じも少々。P-4600に比べ音が前に出ない。適性、滑らかなのでボーカル物。なんと言っても中域表現の素晴らしさから弦楽四重奏曲に止(とど)めを刺す(と期待します)。寸評、力まかせに音楽を再現しないのがすごくいい。ヴァイオリン、ビオラ、チェロの音は最高に良かった。鬼頭さんが聴かせてくれたCD。ディズニーのファンタジア 2000。そのトラック①。各弦楽器が次々と押し寄せるさざ波ようにモチーフを演奏するのが聴きどころ。A-48Sで聴くとその四種の楽器の解像力、質感の心地よさ。その弦楽器群のよさが、入れ替わり立ち代わり出現し聴き手を魅了。その後、A-80で再生するとこの部分が「カサカサのしなびた音。色も艶も無い音」に聴こえてしまった。「どうしたのA-80」という感じ。A-80、出番がなかったのでへそを曲げて本領を発揮しなかったのかもしれません。

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試聴会の担当者は、アキュフェーズ・常務取締役 大貫 昭則氏。大貫常務によるとA-48Sを担当したのは電気(回路設計などかな?)が小矢野さんという方ー構造(筐体(きょうたい))が、すいません、お名前を聞いたのですがメモし忘れてしまいましたーの二名の方。小矢野さんは、アンプの研究のためインターネットで故障などして安価になった色々なアンプ、スピーカー(SP)を購入。直して「このような音がでるのだ」ということを日々、確認している技術者との事。その小矢野さんが真空管アンプを聴いて「伸びやかさ、開放感(解放感かな?)、前向き(さ?)、(真空管アンプから聴こえる)音楽の楽しさ、低域とか高域がどうのこうの(いいとか悪いといった表現)ではなく自然に聴こえる(音)」。このような点が、真空管の音はトランジスタとは違って聴こえたという。その要素を「トランジスタでも出したい」という強い意思をもって(強い意志を持っては僕の想像です)A-48Sを開発したという。

僕、トライオードの真空管使用のCDプレイヤー・TRV-CD4SEを未だに愛用しております。整流菅にも確か真空管を使っており中音の音は滑らかで、スッキリして音色も弦楽器の音に近い感じです。TRV-CD5SEからは整流菅にトランジスタを採用して音色が変わった気がします。A-48Sを聴いた時、TRV-CD4SEの音色を感じました。最近、ピックアップが故障したのですが、トライオード社に丁寧に直して頂きました。今後とも愛用していきたいと思ってます。

なお、A-48Sの「S」は48とは違う設計なのですがA-48に敬意を表して「S」を付けたとの事。あえてその敬意の部分は尋ねませんでした。それはアキュフェーズの社内事情の事でしょうから。訊くのは野暮な事に思えました。