オーディオ・ベースマン見たり聴いたり アキュフェーズ DP-770 その③・・アナログの音、デジタルの音の違い。それぞれ「製作過程が違う」と考えたい。

オーディオ・ベースマン見たり聴いたり アキュフェーズ DP-770 その③・・アナログの音、デジタルの音の違い。それぞれ「製作過程が違う」と考えたい。

アキュフェーズ・SACDプレイヤー・DP-770。価格150万円ほど。6月のアキュフェーズ試聴会。試聴会が始まる前に、レコード再生音とCD再生音を比較してみた。試聴に使ったのは昭和44年2月25日、埼玉会館大ホールにて録音された「TRIOのウィーンのモーツァルト・第一集」。演奏、ウィーン室内合奏団。レコード・プレイヤーは。アコースティック・ソリッド・マシーン・スモール。旧型。アームは、オルトフォンのRS-212D・ショートアーム。カートリッジはアキュフェーズ・AC-6。音質の評価は、レコードの音を③として。

ウィーン室内合奏団。日本録音。プロデューサー・中野雄、ディレクター・草刈津三、エンジニア・若林駿介。

帯域の広さ・③。解像力・③。音の背景の静けさ・③。高域表現(伸びすぎず、詰まらず)・②。中間表現(膨らまず、こもらず、痩せず)・②。低域表現(締まり)・②。コントラスト・②。制動力(歪みがない感じ)・④。透明感・②。繊細性・②。質感・密度・②。音の輪郭・デジタル的。つまり、ギザギザな感じ。音の出足、ちょっと遅い。音の鮮度・上(極=レコード、特、上、並)。デザイン・?。音楽の感銘度・③。特長レコードに比べ、揺らぎ、歪みのない「シッカリ」した音。難点、音のつながりが良いレコードに比べ小片を寄せあわたモザイク的な音に聴こえる。単純に`鮮度が落ちる´。適性、全ての音楽。寸評、レコードの音に比べ、ツーランクほど新鮮味に欠けるCDの音。ただ、比較して聴いていると「音楽を鑑賞する分には770の音、CDで良いかな?」と思い、聴いている内に「レコードとCD、音楽の感銘度は変わらない」と結論づけた。音楽のアナログ録音は、連続的な記録、一方、CDは、音の断片的な記録。そして、録音方法は同じでも記録を封じ込める技術も盤質も違う。レコード(アナログ録音)は高価な音源になっている一方で、CD。生産数は減少したが、いまだに日本は世界最高のCD文化がある。しかも、CDの価格は、極めて安い。ちょっと頑張ってDP-770にしたい。

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そう結論づけて試聴会に臨んだ。猪熊常務がアキュフェーズの試供品のレコードの解説。レコードは、アキュフェーズのSpecial Sound SelectionCDを音源としたレコード。試供品。猪熊常務がこぼれ話を披露。「このレコード、CDと音源は同じです(デジタル録音)。レコードにする際、音質を追い込んでいたのです」。それで、音をもとの音源と音と同じにするためキングレコードのマスタリングの担当者にその旨を伝えた。ある程度の水準に達し、その上の表現を狙ったら「それは、(レコードの)カッティングです」。マスタリングでは追い込めません、表現できません、と断られた猪熊常務。そして、「同じマスター(音源)でも(盤の)造り方で(音が)変わる。ですから、レコードとCDの音質の違いを求める事は意味がない(としてその上の音質を求める事を)、止めました」と猪熊常務。僕、その、解説を聞いた瞬間から、「アナログ録音とデジタル録音」。つまり、レコードとCDの音質の差を云々する事は、あまり意味がないと確信しました。

同社のSpecial Sound SelectionCDを音源としたレコード。試供品。