オーディオ・ベースマン見たり聴いたり アート・ペッパー・・スピーカーがあってもいいじゃん!

アート・ペッパー・ミーツ・ザ・リズムセクション (ビクター VDJ1556)。1957年 1月19日 ロサンゼルス録音。デジタルリマスター盤。1986年発売盤。このCDを聴くと「今、録音に携わる人たち何をやってるんだろう?」と首を傾けたくなる。再発盤が多い。

えっ!。これが今から60年以上前の録音。鮮度抜群。カツオの刺身みたい。(さっぱりして飽きの来ない味という意味です)。1986年盤をわざわざ、ヤフオクで送料込みで890円で購入。2年前、一関・ベイシーでナベサダ(渡辺貞夫)のライブに行ったときにCDを購入したけど、音質は「アレレ?」。このアルバムぐらいの音質は求めたい。

ステレオ誌2018年2月号「この音を、聴け あなたのオーディオライフを変えるかもしれないこの3枚」。福田雅光さん推薦の1枚。

演奏、音質に感動したが、もう一つ、発見が。「スピーカーの存在を忘れるような再生」という表現がある。が、この録音を聴くと「スピーカーがあってもいいじゃん!」と思ってしまう。アートの吹くサックスが左のスピーカーから聴こえ、その他の楽器、ドラムス、ピアノ、ベースが右から聴こえる。中央部からは何も聴こえてこない。「ステレオモノ」というらしい。結果、スピーカーの周辺だけで音が聴こえる。それも、福田さんがおしゃるように非常に「生々しい」音が。このような高録音レベルの再生を聴くと「スピーカーの云々」にこだわらなくてもいいのかもしれないと感じる。おお、ひとつ勉強になった。

なお、音質的には、福田さんが86~88点の魅力があると評価。個人的には、この音質で十分だが、全体的に解像度、SN比をちょぴり向上させ、サックスの音の輪郭がほんの少し引き締められ、ピアノ、ベースの低域の音のスピードをちょっと上げ、力感が充実すれば、もっと良いかなと思う。