オーディオ・ベースマン見たり聴いたり ソウルノート SACDプレイヤー S-3・・鈍重な見た目とは裏腹な音質。
- 2020.02.20
- オーディオ
ソウルノート S-3。「音がスピーカーの前面、前に前に出てくる。その躍動感が素晴らしい!」と店主・細川さんがいう。「アキュフェーズ・DP-900、DC-901のセパレートアンプと聴き比べても魅力を感じる。藤井さん、このプレイヤー、魅力があるでしょう?」。「ええ、オーディオ的性能では、落ちますけど、僕も魅力を感じます」。
以前、写真左奥のアキュフェーズ・セパレートアンプとアキュフェーズ・DP-750を聴き比べたことがある。音質は、一世代前とはいえ、DP-900、DC-901の方が優れていた。理由は、内蔵部品の性能によるもの。「(使われている)物量が違う」ということに尽きるみたいだ。この辺の事情、事実はこれからCDプレイヤー購入の検討を考えている方には参考になると思う。そういった背景があることも念頭において、ソウルノート・S-3を試聴した。「魂を揺さぶる音」。ソウルノートのカタログの表紙にこう書いてある。高い駆動力で音の輪郭を極太に形作り、エネルギーに満ち溢れる音質を浴びせるかのようなキャッチコピーだ。しかし、僕としては、S-3で再生された音は「実演に触れている。鮮度が高い」という表現にしたい。
高解像、高SN比(注1)、高域特性の良さ、帯域の広さ、締まりの利いた低域、エネルギー密度、繊細な倍音表現といったオーディオ的要素では、アキュフェーズに及ばない。もっと単純に言うと、音の数が少ない。アキュフェーズより優れているのは一点だけ。音の立ち上がりが早い、トランジェントに優れるということ。それも、帯域全体に渡って。結果、粋で洒脱、軽快、瞬発力のある「ハッとする」音がスピーカーから跳び出す。この一点のみで、聴き手を魅了する。S-3のリモコンボタンを押す。その瞬間、眼前で音楽が鳴り響く。アキュフェーズでは得られない表現。店に置いて欲しい(購入したい)。DP-750との聴き比べもしてみたい。
アキュフェーズの音が「2Hの鉛筆で描かれた細密画」(緻密という意味)ならソウルノートの音は「水墨で描かれた達磨大師」(大雑把という意味(注2))_かな?。
(注1)後日、ブログを読み返し、この点が気になり試聴時のメモを見たら、「SN比はアキュフェーズより上」とあった。また、駆動力が高いためか(制動力かな?)「歪(ひずみ)」も無い。上述のトランジェントに優れるという点を含め、この三点が、ソウルノートの音質の特長を引き出していると思う。
2020 6月28日 追加 (注2)ここを「質実剛健」に変えます。エソテリック、ラックスマンを聴いた後では、こちらの方が合っている気がします。「大雑把」は、ラックスで使ったという事情もあります。
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