オーディオ・ベースマン見たり聴いたり アキュフェーズ C-290V その③・・魅力は、仄暗い音色。

オーディオ・ベースマン見たり聴いたり アキュフェーズ C-290V その③・・魅力は、仄暗い音色。

C-3900との比較。私、オーディオ的性能では、太刀打ちできないことは、重々承知でございました。C-3900の再生が終わり、私にバランスケーブルが繋がれました。A-75とDC-950からです。ボリューム・ノブが回され、DP-950のデジタル・カウンターが動き出します。流石に、緊張いたしました。第一音が出た瞬間、私、「ホッ」としました。ええ、予想通り。音色、「楽器の音」では負けませんでした。私の音を聴いたC-3900、どう感じたでしょうか?。

ブラームス・ヴィオラとピアノのためのソナタ。ヴィオラ・ヨゼフ・ゴトウセクのすっきりと透明度の高い美しい音色と端正なフォルムの構築によって醸し出された独特な雰囲気が見事(ヤフオク・Kuso_oyazi4649さん)。

C-3900。…低域から高域にかけて、広がりを聴かせる帯域表現。満遍なく張り巡らされたエネルギー感。正確な音を再現する高解像力。音の背景を澄み切った透明感で演出する高SN比。歪みなく引き締められ、くもり、曖昧さを生じない明確に分解された力強い低域。膨らまず、籠(こも)らず、くすまない 中間帯域。滲み、ボケが発生せず、色、艶を失わず、繊細に最高域まで伸び切るシャープな高域。それらの要素によりデジタル的コントラストを感じさせる高精度な音。全帯域において、トランジェント(音の立ち上がり)に優れ、美しく、柔らかく、力感溢れる倍音(響き)。帯域全体の音のスピードが揃い違和感がない。「クッキリ」とした音の輪郭も濃淡がなく、フラットな印象…。私には、C-3900がこのように聴こえました。

オーディオ的性能ではスキがありません。ですが、私の持つ、やや仄(ほの)暗い音調。「曇っているかも」(店主・談)と評された音調が、弦楽器、ピアノが持つ木質の密度を感じさせる響きを再現できたと思います。私も、C-3900も楽器本来の音とは違います。ただ、私の所有者の耳には、「私の音の方が、楽器に近い音に聴こえた」と確信しております。B&W802D3から、音が放たれた瞬間、DP-950からラックの最下段に置かれた私のフロントパネルに「ヨシッ!」という感じで視線を移しておられました。再生を終わった後、私には、無理な話ですが、デジタル的コントラストの高い音も『現代を感じさせていいな』と思った次第でございます。