オーディオ・ベースマン見たり聴いたり ヤマハ NS-5000試聴会・・「三連音叉」は高く鳴り響いた!?

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ヤマハ NS-5000。大型ブックシェルフ型SPは、絶滅危惧種。我々に、新鮮かつ孤高の姿を見せつける。ピアノブラックの塗装面に写り込んだ店内風景が、このSPの存在感を際立たせる。

ヤマハ NS-5000。音色は、同社のピアノを彷彿とさせる。7月下旬、ヤマハの試聴会がありました。

「家庭で音楽を楽しむ」(フルレンジSPのような)「自然な音」の二つの目標を達成すべく製作されたとの事。

やや硬めの音調。帯域が広いとは言い難いが、解像度、SN比ともに良好。中域を中心に音の密度が高く素早い。エネルギー感が少ないため、彫りが深いとは感じられないが、歪がなく音の輪郭を明快にした音像が持ち味。最高域、最低域の解像度、音場の広大な広がりといった点は今一つの印象。響きのなめらかさ、繊細さといった要素より、器楽、声楽の持つ基本的な音色、音速(スピード)を重視して二つの目標をクリアしていると思う。

ただ、デザイン的には、アピールするものはない。ヤマハの「三連音叉」のマークは素晴らしい。エレガントで繊細だ。ヤマハの各製品群、デザインには目を見張るものがある。NS-5000で培った技術を持って、より高域特性に優れ、広帯域、高解像度、高SN比かつ、製品デザインで消費者を納得させるスピーカーを世に送り出して欲しいものである。その瞬間が「三連音叉」が高く鳴り響く時だとと思う。

試聴には、同社のプリメインアンプ・A-S3000、CD-S3000の組み合わせとアキュフェーズ・プリアンプ・C-3850、パワーアンプ・A-200、DP-720で対決、比較試聴しました。

ヤマハの解説担当者の井上さんが、一年四か月、NS-5000とともに日本全国を行脚、セッティングを煮詰めたとの事です。電源タップを置くボード一つにも工夫がありました。

ヤマハの音が良かった!。アキュフェーズは、その能力で強引にスピーカーを鳴らしている感じで良く聴こえません。ヤマハのNS(ナチュナル サウンド)の勝利です。