オーディオ・ベースマン見たり聴いたり  アキュフェーズ・3900S その③・・3900Sと290Vのサブパネルを開くと。

オーディオ・ベースマン見たり聴いたり  アキュフェーズ・3900S その③・・3900Sと290Vのサブパネルを開くと。

アキュフェーズ・C-3900S、2026年10月発売。同・C-290V、1998年11月発売。3900Sのフロントパネル部、「C-290Vと変わらない」と思いつつサブパネルを開くと、スイッチ類が少なく「おっ、余計なものが無くいいな」と思った。

C-290V。数多いスイッチ類は時代を反映している。

フロントパネル部の違いは、ヘッドホーン端子(PHONES)が3900Sの前面パネルにある事だけ。290Vは、ヘッドホーン端子はなく、ヘッドホーンは使えない。諸般の事情で音楽を聴く際、ヘッドホーンの使用を余儀なくされる方は、「いまに、見てろ!(注1)。そのうち機会が来たら…」と思いつつ`一点豪華主義´で3900Sを購入し忍耐の日々を送ってもいいのかもしれない。僕ならそうする(それに近い事をしてきた)。サブパネルをオープン。290Vにレコードを聴くため、サブソニック・フィルターなど三種類の切り替えボタンがある。フォノイコライザー・ユニットAD290Vを増設、機器内に入れる事ができたためで、3900Sでは、筐体(きょうたい)内にユニット増設することはできないのでそれらのスイッチは一切ない。そして、コンペンセンター(聴感補正)ボタンも3900Sにはない。これは小音量で聴く場合、聴感上のエネルギー・バランスを調整するもの。「人間の聴感特性はボリュームを下げたときには、そのときの音量によって低音・高音が不足してきます。その量感を補うために、この回路が大変有効です」と使用説明をしている。3900Sではそのような機能はない。回路技術、採用部品が高性能になったため、ボリュームを下げても音の量感不足は感じなくなったのだろう。ボリューム・コントロールAAVA(Accuphase Analog Vari-gain Amplifier)の成果だ。

ヘッドホーン端子以外に3900Sにあって290VにないものはGAINスイッチ。「本機の増幅度を切り替えるためのスイッチです」と説明がある。「お好みの位置でボリューム・コントロールを可能にするためのスイッチです」ともある。このスイッチは、18㏈(出荷設定 ゲイン 中 通常)、12㏈(小)24㏈(大)と三種に切り替えられる。18㏈では、ボリュームがだいたい9時の位置では39㏈とボリューム・ディスプレイに表示される。ゲインを変えると39㏈でボリュームの位置が7時とか11時になるのだろう(おそらく)。

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いかにもアキュフェーズらしい事を一つ付け加えましょう。「安全上のご注意」という黄色の紙が一枚、290V、3900Sともに取扱説明書とともに入っている。同じ内容だが、3900Sでは、やや詳しくなっている。詳しくなっているのは、「異常が起きたとき」の欄。右側、上から3段目。「~異物(金属や燃えやすいもの)が入った場合。これが『~異物(ヘアピン、釘、硬貨などの金属物や~』の文言が増えている。290V発売後、日本のみならず世界でそういう事故事例があったことを想像に難(かた)くない。右側の警告。290Vでは、② 「電顕プラグをコンセントから抜いてください」と簡潔に書いてあるが、3900Sでは、コンセントを抜いた後の注意点を5段落に渡って詳しく説明してある。紙切れ一枚見てもその会社の企業風土が表れる。製造物責任、説明責任が厳しく問われる現代に対応しつつ、細かな改善を重ねつつ商品(製品だけでなく(注2))としての認知度を高める、それがアキュフェーズ。

追伸。アンプを梱包してある段ボールを開封する際、アンプを持ち上げるため、段ボール紙が敷いてある。その段ボール紙で製品を取り出す際、その取扱いもしっかり紙に印刷して表示してある。一人で行わない様指示がある。過去、プラスチック素材を使ったアンプを持ち上げる用途の下敷きを導入しようとしたみたいだが、それを見送ったのは慧眼(けいがん)としか言いようがない。廃プラの処分は段ボールよりエネルギーが必要だから。アンプの段ボール紙の下敷き状態は、『「アキュフェーズ C-2900 その①・・パッション(熱がある)な奴!!』の写真を参考にしてください。この状態から一人でなく、必ず二人で取り扱ってください。

(注1)誰も見てない、気にしてないのは明白。でも、こう思わないと実行できない…。(注2)「商品と製品の違い」はネットで検索してみて下さい。