オーディオ・ベースマン見たり聴いたり アキュフェーズ・アンプ群・・低音に磨きをかけてきた。

オーディオ・ベースマン見たり聴いたり アキュフェーズ・アンプ群・・低音に磨きをかけてきた。

アキュフェーズ・A級プリメインアンプE-700を中心とした試聴会。製品説明をされたのは同社営業の鬼頭 伸明(きとう のぶあき)さん。山形交響楽団でトランペットを担当、十年ほど在籍した後、家庭の事情で帰京、アキュフェーズに入社したとの事。もちろん、演奏者としての活動は続けている。

展示品としてCD再生専用機・DP-450を店に入れた。DP-770との比較が面白そう。

ウーハーから素早く`ドンッ´と締まった音が放たれ、`グッ´と聴き手に迫る。聴くのではなく体全体で受け止めるのが低音の醍醐味。大太鼓(グランカッサ)、銅鑼(どら)が活躍するコープランドの「市民のためのファンファーレ」。色濃いキックドラムの音が印象に残るフォアプレーの「チャント(詠唱)」。いずれも、曲の冒頭から低音再生の能力が試される音源。試聴曲の解説をしながら、鬼頭さんがその合間にアキュフェーズのこれまでの低音表現への取り組みを語る。「アキュフェーズは、M-100を発売以来、30数年来、低音の改善に務めてきました。M-100は(低音の)ヌケがよく、(音の)押し出しのよいアンプでした。その性能をステレオ化したのがA-50でした」。それからも低音の音質向上に努め、「ドロンとした(低音では)はダメ。(アキュフェーズが目指すのは)A級だけど、締まりのある固まった(低音の)音です)(注)。低域の解像力を上げた(結果としてある)のが(今の)A-80(の低音)です」。そして、オーディオで音楽を再生する際、「低域をしっかりさせ、その上に中域、高域と順番に(帯域が)のる感じのバランスにすると良いと思います」と。

(注)「固まった」と表現されましたが、`ドロン´と団子になって出てくるということではなく、一音一音が解像されながらも音の緊密度が高く、空気を押し出すように広い面で力強く聴き手に迫ってくる音と解釈しました。

オーディオ機器の「低音が良くない、低音が弱い、力が無い」などと言われても、僕はあまりピンとこない。そのような曖昧な表現でなく、曲を聴いた際、低音をうまく再生できなかった楽器名をあげ、その楽器の聴こえ方で説明して欲しい。クラッシックならコントラバス、グランカッサ(大太鼓)、ティンパニー、チューバ、ジャズならキックドラム、ベース、バリトンサックス、フージョン・ロックならエレクトリック・ベースギターといった楽器。その楽器が使われる曲の中で、良く聴こえない部分を指摘して「このように聴こえる。だから、低音表現が足らない、今一つだ」と具体的な説明が欲しい。

*************

参考のため、オーディオ・ベースマン見たり聴いたり、2021年2月のブログ記事、『アキュフェーズ A-50V その①・・VS A-48』の冒頭部を掲載します。「アキュフェーズは、ひっそりと、誰にも語らず、低音の改良に努めてきたのでしょうね。A-50Vは、(旧)佐々木電気(廃業)のリファレンスでした。当時、最高のアンプと言われてました。が、私には、店で鳴らしていて、JBLやタンノイの低音が、今一つ出てなかった気がしたのです。今回、A-48と比較してハッキリと判りました。やはり、低音が弱かったのですね」と店主。たゆまない改善努力と技術革新の成果。二十数年後の低音が、A-48の低音というわけだ。