オーディオ・ベースマン見たり聴いたり 高く広い壁 その②・・壁から離れていても反射板が無くとも低音はでる!。

オーディオ・ベースマン見たり聴いたり 高く広い壁 その②・・壁から離れていても反射板が無くとも低音はでる!。

アキュフェーズの試聴会を終えた店主。思うところがあり。改めて中二階の壁より大きく高い壁がある反対の壁を背後にして、左右の大きく高い壁を意識。部屋の真ん中の位置を測り、そして前後左右・三分の一にあたる位置にB&Wをセット。

大きな窓に正対して左の高く広い壁。

「(私も)部屋の中心を割り出し、前後、つまり、スピーカー(SP)後方の壁からSP前方の壁の距離の三分の一。左右の壁からおのおの距離三分の一に当たる場所にSPを置くのがいい」とわかっていた。が、「(SPを置いた際の店の中の)見た目、(試聴、機器の配置作業の)便宜上(便利が良いという理由で)店の真ん中よりズレた場所にSPを置いてました」。(そこに置くと)どうしても低域が出ないので(低域を出すため)反射板を(SPの後ろ横周りに)置いていた。だから「(どうしても)B&Wの低音は反射板がないと出ない」と思い込んでいたという。しかし、改めてSPセッティングの定石通りに置いた店主。「部屋の中心、大きな壁(を意識したら)何をしなくとも低音が出た!」。SPの周りに反射板を置かなくとも店主自身が納得のいく低音表現を可能とした。そして、こうも語っている。「低い天井では低音が出ない。高い天井だと重心が低い低音が出る」

店主は、大貫常務にかねてから疑問に思っている事を尋ねた。「オーディオショウでは、(なぜ)SPの後ろに(反射板など)何も置いてないのですか?」。「SPをどこに置いたら低音が出るのかを考えています」と大貫常務。東京インターナショナル・オーディオショウのブース、機器のデモをする部屋は天井が低く、かつ他のメーカーと部屋が隣り合っているため隣の音が漏れてくるなどデメリットが多い。そうした悪条件の下でも「SPをどこに置いたら低音が出る」のかを考える事で反射板を置かなくとも音質をデザイン、お客様に聴かせることのできる最善の音を届ける努力をしているようだ。オーディオ・ショウの時、DIGITAL VOICING EQUALIZER DG-68で音をカスタマイズしているかもしれませんが、話がややこしくなるのでその件には触れません。基本はまず、低音が出る場所を探り当ててから音をカスタマイズするでしょうから…。

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「低音を出すにはSPを壁に近づける」。オーディオの世界ではごく普通に言われている。僕は、このことには前々から疑問を感じていた。「壁に近づける事で低音表現が向上するのは幻想(幻聴?)」だと思っていた。言葉で言えば「ドス、ドス、ドン、ドン」といった量感は出るが「ドンッ、ドンッ」という「ッ」の部分の低音、聴こえないが底辺に流れている執拗低音(注)が出てないと思い聴いていた。SPの低音、㎐の能力にもよるが壁に近づけると不自然。「量」はでても「質」が今一つというのが僕の結論だ。ベースマンで壁から離れ、かつSPの周囲を囲わず出る自然な低音を聴いて確信した。もちろん、一般家庭は天井が低いなど制約が多い環境にある。適宜、壁に近づけたり、反射板を使用するのはやぶさかでないし否定しない。

2025 3/8日追加 (注)音は聴こえないが床を伝わり足元に響く振動と考えて下さい。ドイツ・カンマーフィルの岩手県民会館での演奏会時、開演前に六台のコントラバス奏者がホール内の音の響きを確認していた。最前列の席に居た僕の足元の床に振動を感じた。その時の低音は凄く嫌な感じ、不安を感じさせる低音だった。