オーディオ・ベースマン 見たり聴いたり ブロッドマン VC1 その①・・白眉はモノラル再生!!!

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ブロッドマン VC1。モノラル録音再生に最適。価格は140万円ほど。工芸品かと見間違える仕上げ、シンプルで飽きの来ないデザイン。ライトウエイトかつスモールビューティー。音楽の古都、ウィーンの傑作。オススメの色はパーチ色。

ブロッドマン VC1。音楽のジャンルは問わない(注)。ウェラー弦楽四重奏団は「颯爽と」、ウィーンフィルは「典雅な佇まい」。キースジャレットは「純粋・純真」。エリー・ナイの「剛健」なピアノタッチ、キングクリムゾンの爆音に「慄然」となるが、プリプリ(プリンセス プリンセス)の「キュートさにニコリ」とし、ハイフェッツの「切れ味に唖然」。

高SN比、高解像度、広帯域、高域特性に優れ、音のコントラストを際立たせながらも、柔らか、しなやか、馥郁たる音調。全帯域において倍音の質感を損なわない。絶対能力では最新B&Wに及ばないかもしれない。が、「志の高い音」「何か(音楽)を教えてくれる」と店主に言わしめたスピーカー。

入門機種のプリアンプ(5、6万円台)の駆動でも魅力的な再生音であることを付け加えておきます。

高域は、満天の星空を駆け抜け、消えゆく流れ星の如し。ヴァイオリン、シンバル(ジャズもオーケストラも)、ピッコロといった楽器の最高域の純粋で混濁のない儚く消えゆく研ぎ澄まされた音色を再現。中域は、一陣の風で月影揺れる水面(みなも)。ビオラ、チェロ、ファゴットといったオーケストラの音に埋没しやすい倍音をほのかにただよわせる。低域は、ターミネーター(Terminator 明暗境界線)のごとく際立ったコントラスト。絶妙なダンピングで厚く響く骨太のサウンドを構築。グランカッサ(大太鼓)の質感は聴き手を圧倒する。音の立ち上がりの速さ、均等なエネルギー密度で帯域を広げ、立体的な音像、奥行きのある音場を形成。リアルな音楽空間を演出、ウーハーが内側にあることを忘れさせる。

白眉は、モノラル再生。スピーカー間のど真ん中に音が集中する。デッカ、ウエストミンスターのモノラル・レコード、オーパス蔵、グリーンドア音楽出版のモノCDなど、現在聴いても新鮮な再生音は筆舌に尽くし難い。モノラル再生マニアに捧げたい!!。1mからのニアフィールド・リスリングで「ソッと」鑑賞するのも乙(オツ)なもの。

SPセッテイングのうまい八重樫さん曰く「(うまく鳴る)位置が多く、セッテイングが楽」との事。敢えて、欠点を探すと、SP間に再生空間が限定されるような気が。しかし、ウーハーを外に向けての再生もグッドチョイス。ベースマンで3セット納入実績。2015年の試聴会時、終了しても立ち去る客は皆無。

サイズは、927×160×245㎜ 13㌔。軽量。再生音が気がかりなら、福田雅光さんの自作オーディオマジックボード上を少々、移動。音を調整、素晴らしい再生音を得た時が至福の始まり。

2014年の福田雅光さんの評価コメントによると「・・VC2、VC7でないのは、最もオーソドックスに完成しているからだ。本格的な低音の深いエネルギー、バランス、解像力、高いSN比。高密度に整えあらゆるプログラムを納得させた。低音は制動力を効かせ力のある響きに驚く。正確な表現力で彫りの深い音像を構成する」

なお、上位機種のブロッドマンVC2の濃密で壮大な音場も捨てがたい。店主の評価は「高域が乾いている・・」。

2020/1/18 追加 すいません。ロックとジャズは、得意ではありません。5年間聴いたら、ロックのスピード感、現代ジャズの「キリリ」と引き締まった緊張感は、期待できません。それらの、分野の再生が『ダメ』という事ではありませんが。