オーディオ・ベースマン 見たり聴いたり アキュフェーズ・極めの「粗品」

DSC_0112左の写真は、アキュフェーズの「粗品」としてオーディオ・ベースマンから頂いたもの。CDとSACDのセットとクリーニング・クロス。ディスクとクロス、頂いた時期は異なる。で、当然、無料である。

アキュフェーズは、高額なオーディオ製品を製造販売しているが、同社が、いかなる会社か、この「粗品」からも窺える。

Special Sound Selection 3 for Superior Equipmentとなづけられたこのディスクには、世界の音楽レーベルの良質な音源から曲を選りすぐり、CD、SA-CDハイブリット一枚に収めるのではなく、CD盤、SA-CD盤それぞれ単独に同一曲収録が行われている。アキュフェーズの説明によると単独にしたことで反射率が向上し、信号の読み取り精度が上がり、よりよい音質で鑑賞することができるという。オーディオチェックCDからの抜粋も含め、15曲収録されている。

2年ほど前、オーディオ・ベースマンで開催されたアキュフェーズの試聴会において参加者全員に配布された(なんという幸運!!)。

おそらく、数年の年月をかけて制作されたディスクだろう。音質は抜群で、クラシックからボーカルとジャンルも広く音楽性にも富んでおり、聴かせどころをうまくつかんでいて、聴きごたえがある。気に入った5曲目のモーツァルトの「トルコ行進曲」(A・タルクマン編曲)アンサンブル・プリマス演奏は、タワー・レコードに探してもらい購入、14曲目のTAKE THE “A”TRAIN~Album「Introducing The 923 Big Band」より 923ビッグバンドーは残念ながら購入出来なかったーとCD購入の試聴見本としても使えた。

このアキュフェーズの「粗品」。これが、三作目であるが、驚くなかれ、このディスクは、オークションで高額取引されている。初めて見たのが、ヤフー・オークションのアンプ、アキュフェーズのサイト。1,2,3の三枚セットで15.000円の入札が行われていた。また、3が単独出品で入札金額8.000円から出品されていたことがあった。

さて、メガネクリーナーのような布。クリーニングクロスであるが、よく見ると、滑り止め加工がされている。何度でも洗えて、汚れが落とせる布は、メガネを購入すると「粗品」でついてくる。が、超極細繊維できているせいか、布の裏表とも滑りやすい。CDの汚れのふき取りにも使えたが、やや使い勝手が悪かった。指になじまないのである。ずっと、不満があった。そこに、このアキュフェーズの「粗品」である。簡易包装されたレター型紙袋から取り出し、企業名が浮き出ている面に滑り止め加工が施されているのを見た時、思わず、小躍り!。当然、使いやすい。

無料配布の高品質のディスクのみならず、たかだか、布一つにも細工を凝らす。

細に入り微を穿つ、画龍点睛を欠かない、仏を作って魂を入れるようなモノをつくる。各製品のデザインに力みがない分、説得力に欠ける部分もあるが、実に、端正に、力強く、注意深く、「つくり込み」が行われている。

アキュフェーズとはそのような会社である。

なお、40キロを超えるパワー・アンプの梱包の箱もアキュフェーズならでは、の工夫がある。思わず感心してしまう。オークションでは、正規の箱の有無で、5万以上の価格の開きが出てしまう。機会があれば、そちらも紹介したい。