オーディオ・ベースマン見たり聴いたり マントヴァーニ・・デッカ録音の至芸、ここに極まれり。

マントヴァーニ オーケストラ。イタリア・ミア ITARIA MIA。ヤフオク、khattori22さんより分譲品。

オーケストラの中に浮かび上がる独奏楽器の音色が美しい。デッカ録音の至芸が、堪能できる。もう少し、SN比と音のコントラストが上がればなぁと思う…、いや、これで十分だ。

現代。楽団員をスタジオに集め録音することは非常に経費がかかり、儲からない。市場も飽和状態。そのため、今では、クラッシクの音源は、ライブ録音が、中心。このLPのような録音が行われる機会は、ますます、減るだろう。その意味でも50年以上前のこのレコードは、貴重品。

おっ、1961年録音。「ワルツ・フォー・デビィ」と同じ時期だ。

ヤフーオークション出品時、出品者のkhattori22さんが有意義なコメント[recordkarte]を掲載。全文を引用させて頂きます。(一部、省略。ゴシック表記はブログ制作者)

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ffrrやFFSS黎明期にアンセルメ&スイス・ロマンド管弦楽団と並び英国デッカ社の二大看板オーケストラだったのが、マントヴァーニ楽団。小編成の交響楽団のコンサートに近かったマントヴァーニは、生涯750曲以上録音を残し、一億枚以上のLPを売り上げたと云われていますが、この事実から英デッカを語るに無視出来ない存在です。小生も自身を持ってアンセルメと同列に語らせて頂きます。

クラシック愛好家+ポピュラー愛好家を足して2以上の効果を生み収益に貢献、英デッカ社に経費が嵩(かさ)むイタリア・オペラ全曲録音やバイロイト実況録音、高価なAMPEXやノイマンなどの業務用機材購入等々英デッカ帝国黄金期樹立に一番貢献したのはマントヴァーニだったのでは。そうです、彼の御蔭で高音質のデッカ盤が楽しめると云っても過言では有りません。クラシック愛好家人口には限界があると見た英デッカ社が圧倒的なメジャーで人口の多いポピュラー愛好家にターゲットを定めて、その最前線にマントヴァーニを位置付けたこの戦略は大成功!!!。クラッシック界帝王のカラヤンと云えども1億枚には程遠いはずです。

「できるだけ多くの人に、気楽にオーケストラ音楽を楽しんでほしい」。今、一度、この彼の残した言葉を噛締めてみましょう!。マントヴァーニのもう一つの魅力は、アコーステックな空間の中でオーケストラのバランスを取るデッカ特有のデッカ録音を具現したということでしょうか。ホール・トーンを適度に捉えつつ、個々の楽器や声をクローズアップする音づくりは、カルショー前から君臨していた英デッカのプロデューサー、トニー・ダマートとウィルキンソンのライバル(だった)アーサー・リリーという二人の才能が英デッカ社に居たという幸運が本盤を生んだと云っても過言ではないと思います。

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