オーディオ・ベースマン見たり聴いたり アキュフェーズ DF-65 その①‥まさに「ディジタル・アキュフェーズ」。

オーディオ・ベースマン見たり聴いたり アキュフェーズ DF-65 その①‥まさに「ディジタル・アキュフェーズ」。

ディジタル・チャンネル・ディバイダーDF-65。定価90万円ほど。アルテックA7 with DF-65。A7の音色、雰囲気を損なう事なく、現代オーディオ音質に変貌。 誇るべき、ディジタル技術の勝利、凱旋。その成果は、自身の耳で確認するしかない!。

500Hzがクロスオーバー周波数。12㏈/octがスロープ。詳しい技術的説明は店主へ。

オーケストラ。上下前後左右にきめ細かく広がる音場。歪みのない立体的音像。ティンパニーが最後方から炸裂、コントラバスの低音が床を這いまわるように伸びてくる。金管楽器の高音は、峻烈に、しかし、中音は、ふくよかに人肌の温もり。木管楽器の色艶(つや)。地味ながらも必要不可欠な内声部を支配するチェロ、ヴィオラ弦の重なり、解(ほど)け具合。オケの音の輪郭を司(つかさど)る第一、第二ヴァイオリンの旋律。リアニズム、実演に接している(かのような)再生。あれ?、困った、オケが目の前で演奏している。オーディオ的な澄み切ったSN比はないと、 あえて、言う。 「スタジオ録音、CDにパッケージされた『静けさ』はない」(店主談)。俗に言う”デジタル臭さ”は皆無。デジタルは、「非人間的」と誰が言ったのだろう。いや!。今まで、僕自身がそう思っていた。反省しなければいけない。「我々、現代のオーディオを楽しむ者たちは、デジタル技術を活用しなければ、イノベーションはない!!」と感じた試聴。

パワーアンプ、高域は、P-800。低域は、A-75。店主、半日の調整。まだ、DF-65の真価、底は見せてない。惜しむらくは、高域もA-75で。店主曰く「高域は、真空管でもいいかもしれません」。真空管の純粋な高域表現も聴きたい所。

チャンネル・ディバイダーを使ってのマルチシステム導入の成否のポイントは、演奏されている音源、すなわち、楽器や声楽など音源の周波数が大体、判ること。周波数、Hzは、一般の人には判別しにくいし、気にしないだろう。例えば、ベース。ワルツ・フォー・デビイの「マイ・ロマンス」の‘スコット・ラファロ’さんのソロ。ここが何ヘルツの幅でもって弾かれているか、「それを正しく捉える事が重要だ」と店主は言う。これまた、一般の人は、判らないと思う。過去、マルチシステムの取り組んだ方々は、その辺が上手く対応できず、挫折したようだ。その時こそ、ベーシストでもあるベースマン店主・細川茂雄の出番。『何事にも先達は必要』。その意見を参考にしつつ、マルチを楽しみたい。DF-65の取扱説明書の50ページにこう書いてある。「~最終的には自分自身の好みの音を創るのが目的ですから試聴によって聴感で好ましい調整、特性を選択してください」。可能なら店主の調整した音に耳を傾け、その操作を基本とし、自身の音を創り上げたいものである。