オーディオ・ベースマン見たり聴いたり 有山麻衣子 幻のコンサート・・故・宇野功方さん 企画・指揮。

オーディオ・ベースマン見たり聴いたり 有山麻衣子 幻のコンサート・・故・宇野功方さん 企画・指揮。

アキュフェーズ営業の小串さん。ベースマン担当時、新製品試聴会で「不来方(こずかた)高校・合唱部」のCDを試聴盤として必ず取り上げていた。澄み切った演奏空間に純真、清らかなさざ波が漂うような合唱は、アキュフェーズの特長である”澄み切った”SN比を強調、具現化するのに最適な音源だった。 自分も試聴に使えるそのようなCDがないものかと探していた。 そのようなCDとは、 オーディオ的要素でいうと、 繊細な表現を持つ高い解像力、高SN比を感じさせるもの。

ブロッドマン VC1。 これまた飾りのない佇まい。

澄み切った演奏会場に満ち溢れる緊張感。歌い手の歌唱が、音程が取れず、破綻することがあるのではないか、という聴き手側の緊張感。無心に歌う歌い手。それを支える伴奏者の気遣い。歌い手が、破綻せずに透徹した歌唱を終了した時の観客の安堵の拍手。静謐なコンサート。会場全体に浸透する脚色、技巧とは一切、無縁なソプラノ歌唱。「触れなば、脆(もろ)く砕け散るガラスの城」といった風情。壊れないガラスの城がある。それが、オーディオの世界。 演奏会の感動は、人の「記憶、思い出」の中だけに生き続ける。そして、時とともに色褪せるもの。録音された音楽は、再生ボタンの一押しで、その日、その時の演奏を忠実に再現。演奏会に臨んでいなくとも、その日、その時の音楽的感動を何度でも味わえる。 その上、繰り返し再生できるオーディオでは、新たな発見もある。

レコーディングは、音楽プロデューサーの中野雄さんの発案方法。録音は、インフラノイズ社が担当。解説の中に「~クラシック音楽ファンでも声楽だけは苦手、という人が多いのは、あの吠えるような発声法と、声がゆれるヴィブラートに対するアレルギーも大きいのではあるまいか。僕は、クラシックの歌手にアレルギーを持っている人にこそ、このCDを聴かせたい~」とある。そして、「~芸術のいちばんの敵は常識」といい切る、故・宇野功方さんはやはり面白い。