オーディオ・ベースマン見たり聴いたり ジェフ・ベック・・この三枚があればいい。
- 2021.04.30
- CD レコード
ジェフ・ベック。日本で最近まで演奏会を催し続け、未だに人気のある海外ギターリスト。2017年、1/23 sat 岩手県民会館大ホール。会館に入り、階段を登ったオレは、驚愕した。キャラクターグッズに群がる男女達に。ギター小僧、女子はおらず、「えっ!?」と思わず、わが目を疑るような方々が、僕と同じ還暦を迎えようかと思える、もしくは、超えた方々が、列を成している。2019年12月の”地獄の軍団”こと「キッス」の日本最終ツアーの盛岡タカヤアリーナも30㌢のロンドンブーツを履いた方々が狂乱したんだろうなぁ…。
音楽の背景に濁りを感じるためSN比は、よくない。高域は伸びず、歪(ひずみ)があり、帯域は狭い。解像力も今一つ。低域の締まり、押し出しは、いい。オーディオ的音質では、このアルバム(LP)が三枚の中で一番落ちる。演奏は、A面一曲目の「Led Boots」からスピード感バツグン。リズム、テンポ、ノリのいいインストゥルメンタル。A面は、後半、スピードが落ちるが、B面、「Blue Wind」から「Play with me」までベックがギターを弾きまくり。最後 「Love is Green」で アコースティック・キターが登場。聴き手に安らぎを与え、一抹の寂しさを残しアルバムが終わる。音量を上げて、「浴びるように」聴きたい。
三枚の中で一番SN比(音楽の背景が静か)がいい。拡大する音場、エネルギー、密度感十分。センターに位置したドラムの重量感のある音が楽しめる。ナチュナルにスッキリと伸びるエレクトリックギターの高域、引き締まって音の輪郭の太いエレクトリック・ベースの低域。 楽器の定位、分離が明快。高解像度。もう少し帯域が広ければという思いもある。アルバム自体は、とんがったヘビィ&ハードといったロック的な要素より、聴きやすいフュージョンといった印象。高レスポンス、ワイドな”躍動感”のあるサウンド。
アイキャッチ画像(一番、初めの写真)。「ブロウ・バイ・ブロウ」。音の背景が、やや曇っている。解像度、よく、帯域も広い。SN比に問題を抱えながらもコントラストもいい。音の輪郭が曖昧模糊(あいまいもこ)としておらず、シャープ。奥行きがある。音の立ち上がりが素早く、高レスポンス。リズム、キレがある。そして、左右へ均等に並ぶサウンドの広がりの魅力。高域の繊細な伸び、こもり、膨らみのない中間帯域、誇張のなく「スッ」伸びる低域。正に、”インストゥルメンタル”なレコード。情緒溢(あふ)れるジェフ・ベックのギターが十分堪能できる。
なお、残念なことに、自宅のシステムでは、この三枚のレコードの真価は味わえない。僕のシステム、スピード感、パンチ、キレといった性能(?)ではベースマンのシステムには到底(とうてい)敵(かな)わない。
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