オーディオ・ベースマン 見たり聴いたり オクターブV110SE 「HBの鉛筆で書かれた細密画」 

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ドイツ質実剛健主義を突き進むかの如き、武骨なデザイン・・・。
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試聴は、左端の802Dを使用。セッティングは、常連客の和光さんの協力で。おそらく、これまでで最高の音!

オクターブ(Octave)V110SE。もし、あなたが、アキュフェーズアンプの絶対的性能を認めながらも、納得できないのなら、このアンプを試聴すべきだ。

そう、この音があなたの求める「」かもしれない。

V110SEは、ダンピングファクターを3つレベルで選択できる。写真のアンプの手前、右端の小さな真空管を交換する。LOW(ぷよぷよ)、MED(中肉中背)、HIGH(スリムな筋肉質)と聴感上の音色を変えることができる。管は、三種付属。試聴は、主にHIGHで実施。

真空管らしい温かさを漂わせる音場に加え、高い解像度による音像に実在感、質量感を聴きとらせ、全域に渡り、エネルギー密度が均等で音の立ち上がりが早い。そして、音楽的な色彩感を感じさせる。そこが、魅力的だ。

高域は、倍音を響かせ、繊細に伸びるというより、彩りを交えず確実に。中低域は、絶妙なバランスで制動をかけ、音を分解。音の輪郭を明確にしてコントラスト(陰影)を高く表現しつつも柔らかさ、温かさを失うことがない。

あるがままの写実的表現か、意匠を加えた芸術的表現か。V110SEは、そのあたりをうまく揺れ動いている。アキュフェーズは、あるがままの写実だと思う。

アキュフェーズの音が「精巧なサイボーグ」、「2Hの鉛筆で書かれた細密画」とお感じの方には、オクターブは「肉体を持つピノキオ」、「HBの鉛筆で書かれた細密画」との印象。

ベースマンで聴き比べると非常に楽しい!。どちらも素晴らしいのが素晴らしい!

試聴レコード ザ・オーケストリアル ミュージック リヒャルト・シュトラウス VOLⅢ(EMI) 指揮・ルドルフ・ケンペ ドレスデン

試聴CD 神田佳子 打楽器アンサンブル作品集 「かえるのうた」(Bon-Kan Media Works)