オーディオ・ベースマン見たり聴いたり アキュフェーズ・プリアンプ・C-2800・・新ボリュームAAVAが果たしたもの。

オーディオ・ベースマン見たり聴いたり アキュフェーズ・プリアンプ・C-2800・・新ボリュームAAVAが果たしたもの。

アキュフェーズ・プレシジョン・ステレオ・プリアンプ・C-2800。2002年発売。同社が独自に開発した新方式のボリューム・コントロールAAVA(Accuphase Analog Vari-gain Amplifier)を搭載。評価は音量調整部に抵抗体を使用した同社のプリアンプ・C-290V(1998年発売)を③として。そして、【】内が現行プリアンプ・C-3900を③とした評価です。

3900と同一デザインだが、現行製品と比べ表示ランプ、ディスプレイは暗い。時代を感じる。

帯域の広さ・④、【②】。解像力・③、【①】。音の背景の静けさ・③、【②】。高域表現(伸びすぎず、詰まらず)・④、【②】。中間表現(膨らまず、こもらず、痩せず)・③、【②】。低域表現(締まり)・④、【②】。コントラスト・④、【③】。制動力(歪みがない感じ)・③、【②】。透明感・⑤、【③】。繊細性・③、【①】。質感・密度・①、【ー①】。音の輪郭・(290Vに比べ)シャープ、(3900より)淡い、音の出足、(290Vより)早い、(3900より)遅い。音の鮮度・特(極=3900、特、上=290V、並の評価で)。デザイン・③。音楽の感銘度・③、【②】。特長、低歪み、音の背景が静か。難点、楽器、人の声の質感は290Vより(格段に)落ちる。電子楽器で再現したように聴こえる(注)。適性、全ての音楽。、以下の事は、僕が290Vとの比較試聴で得た感想です。あくまで私感です。・・・AAVA採用時、290Vの音量コントロールに比べ、楽器の音、人の声に近いといった聴き手の感性に由来する要素で明らかに、落ちる、到達できない事は`おそらく´承知の上で採用を決定した。その欠点がありながら、何故、AAVAを採用したのだろうか?。それは、物理的に計れる特性、音が歪みが少ない「低歪み」と「音の背景の静けさ」、つまり「SN比」が従来の抵抗体を使ったボリュームより優れていた。その二つの要素は計測した数字で表せる、証明できる結果だったろうし、その二つの要素は人間の聴感上の感覚でも抵抗体ボリュームより優れていたと思う。それで、「今(2002年)のAAVAの能力は、C-290Vの抵抗体ボリュームと比べ質感、密度感は落ちるがそこは目をつぶろう」。それでも、「低歪み」と「高SN比」の二つの優れた要素を持つAAVAを基礎、土台、プラットフォームとしてこれから改善、展開すればアキュフェーズの未来が開ける、可能性が開拓できる。正確、精緻な音の表現の基礎を構築しそこに人の感性に訴える`魂´を吹き込める。「我々ならできる!」と確信したに違いない。

その確信を内に秘め、2002年、AAVAを2800に搭載、販売。そして、その瞬間から`アキュフェーズの進撃´が始まった・・・。

店主評。「(290Vに比べ)音の純度は2800は高い。音の出方、鳴り方が違う。音の強弱も290Vとは違う(強い。290Vは弱い)。音が(聴き手)の目の前に迫っていて小さい音も大きくでる。290Vは古い音に聴こえるが、楽器の質感が良く、2800はデジタル的な音に聴こえる」。そして3900を聴いて「2800の延長線上に3900はあります。(3900は)SN比の良さ、透明感(が感じられ)、より伸びやかで、分解力、繊細性が上がっている」。

ああ、すいません。熱くなり過ぎました。商売、商売、案内を忘れてはいけません。中古C-2800はフォノ・イコライザー付き、65万円で販売中です。

(注)2024/8/28日 追加。エレキギター、シンセナイザーなどの電子機器を使った楽器の音が良くないという事ではありません。澄み切って一直線に伸びるエレキギターの高域は、いかにも電子機器の音、人が曖昧な色合いを抑え純度を高めた音という感じがして好き。関心しないのは、木質の楽器の響きを電子楽器で無理やり再現されることが嫌なのです。それは、老人に化粧を施し若く見せようとするような`見苦しさ´、逆に、若い人に、過剰、不相応な装飾を施した`品の無さ´を感じます。