オーディオ・ベースマン見たり聴いたり ブロッドマンVC1 その⑧・・音質に「ガッカリ」…でもなかった!。

オーディオ・ベースマン見たり聴いたり ブロッドマンVC1 その⑧・・音質に「ガッカリ」…でもなかった!。

ブロッドマンVC1。230万円ほど。店にタイミングよく中古が入った。B&W805D4との比較。店主が「ブロッドマン。かわいそうだなぁ」とつぶやく。僕が聴く前に聴いたらしく、思わず本音がでたというところか。オーディオ・ベースマン。アキュフェーズの試聴会を4月22日(土)、23日(日)に開催予定です。詳しい内容はまだ決まってません。

背後の805D4と一緒に映ると、弱々しい小型トールボーイスピーカー。でも、美しい。ニアフィールドで聴きたい。

オーディオ的諸要素ではまるで太刀打ちできない。「あれ?。以前、B&W802D3 prestigeとの比較で聴いた時の感動はどこに行ったの?」。思わず、自問自答してしまうほどその差は酷(ひど)かった。D4の後に聴くと音楽の背景が曇り、音の輪郭が緩(ゆる)く、躍動感なく、もたもたした音が再生された。よく聴こえない理由として「ブロッドマンのツィーターの位置が、低すぎます」と店主。なるほど、椅子に座った時の耳の位置とツィーターの位置が全然違う。基本、聴き手の耳の高さとツィーターの位置を同じにするのが、最良の音質を得る手段。D4のダイアモンド・ツィーターの位置は、ベースマン備え付けの椅子に座った時、耳と同じ高さになる。写真中、純正スタンドに載り、後ろ向きのB&W805D3が映っているが、ツィーターの位置が低い。これでは、B&W805の真価を発揮できない。そういった事から、ツィーターの位置の影響でブロッドマンが本来の能力を発揮できないと思いたかった。が、耳をブロッドマンのツィーターの位置に合わせて聴いても、D4の引き締まり、「ハッキリ、スッキリ、クッキリ」してリズミカルな音質には及ばない。「ああ、ガッカリ」と思い帰宅した3月10日(金)だった。

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翌11日(土)。偶然、岩手県大槌町安渡地区の公民館で、同町出身のジャズ奏者・臺 隆裕(だい たかひろ)さんのトリオの演奏を聴くことができた。ピアノはPAを使用、トランペット、サックスは生音。聴いたら、「ブロッドマンは大丈夫だ。B&W805は、やっぱりオーディオの音だ」と確信。楽器から放たれる音は、優しく周囲に浸透する。例えて言えば、「池にポチャンと小石を投げ入れて出来た波紋」。着水地点から同心円状に波紋が次々と現れ、円の大きさを増し、岸にたどり着く。たどり着いた波紋は岸にぶつかり返しの波紋を生み出す。寄せ波と返し波、それが幾何学的な文様を描く。波紋は、徐々に勢いを失い、時間の経過とともにさらに弱くなり最後に波紋は消える。音の背景が曇ろうが、音が緩かろうが、弱々しかろうが「波紋のように」聴こえるのが、ブロッドマンの音の印象。D4だと「静止水面(高SN比)に岩石(力強さ)がぶち込まれ(峻烈な音の出だし)、ビックウェーブが発生(音の輪郭がハッキリ、クッキリ)、岸を乗り越えて(拡大する音場)ガンガン(躍動感)進軍(立体的な音像)する。返しの波はない(スッキリ)」と勇ましく、凛々(りり)しく、厳しい。聴き手は、このD4の鮮烈、強固な音に魅了され、あらがえない。

ブロッドマン所有者としての手前味噌でございます。B&Wの方が、性能は格段に上です。