オーディオ・ベースマン見たり聴いたり B&W805D4 その②・・写実の世界を演出。でも、ちょっと演出しすぎ?。

オーディオ・ベースマン見たり聴いたり B&W805D4 その②・・写実の世界を演出。でも、ちょっと演出しすぎ?。

B&W(Bowers & Wilkins) 805 D4 。130万円ほど。果たして、805D4の音は、どのようなものか?。その音の本質を見極める(聴き分ける)ため、実演を聴いたことのある演奏者のCDで判断。聴いたのは、ソプラノ・小林沙羅さんの「日本の詩」。フルート・工藤重典&ワルター・アウアーさんの「大協奏幻想曲」。実演を聴いたのはワルター・アウアーさんのフルート。B&W805 D3も同時に聴いた。なお、B&W805 D3は、純正スタンド付き70万で販売中(売れました)

小林沙羅さん。岩手には少なくとも三回来ている。

「日本の詩」をD4で聴いた店主。どのように聴こえたかと言うと…「音に芯がある。(でも)その周りの音、(もう少し離れた)周辺の音がない。それで余計な音がないように聴こえる。グラデーション(色が断続的に変化する事)がない(ように聴こえる)」。僕はと言えば、締まりの良いデッド(響きが抑えられた)な音に聴こえ、「いかにも、余計な音が聴こえないスタジオ録音。発音、発声がハッキリ聴こえ、本人の声に近い。しかも、ピントがピタリとセンターに位置、歌い手が浮き彫りとなる写実の世界」と聴こえた。強固な音の輪郭で歌い手が立体的に形作られる性能。現実にはありえない演出。凄い!。そして、D3。店主、ピアノ伴奏が始まるな否や「なんてチャーミングなピアノ!」と一声。音にグラデーションを感じられる様子。「声のヴィブラート(の感じがいい)。(声に雑音が入り)汚れているが、(録音)スタジオの響きとピアノの一体感がある(感じられる)。声が腹から出ている(感じがする)。(伴奏つき演奏という)世界が出来上がっている」。そして「ピアノの一音一音に押しの強さ(鍵盤を叩く強さ)が(D3には)ある」と付け加える。

D4が、演奏場の響きを極力抑制した、楽器の音、人の声だけを抽出した純度の高い客観的表現。他方、D3は、演奏場の響きを生かしつつ楽器の音、人の声の一体感を目指した主観的表現。D4が、オーディオ的な音、D3が、実演に近い音としても良いだろう。どちらを選ぶかは好み。

フルートの音は二機種とも今一つ似てない。D4は、締まり過ぎで硬く、D3は、緩すぎ低密度な感じだった。
B&W805は、右が純正スタンド。ツィーターの位置は低くなる。