オーディオ・ベースマン見たり聴いたり クリプシュのフォルテ・・オーケストラの総奏に酔え!(注1)。

オーディオ・ベースマン見たり聴いたり クリプシュのフォルテ・・オーケストラの総奏に酔え!(注1)。

クリプシュ(Klipsch)のフォルテ(Forte Ⅳ)。一台55万円ほど。フォルテ、聴き手に「動と静」を感じさせるスピーカー(SP)。「動」とはSPが一音目を放った瞬間の起動力。「静」とは演奏が終わった後の静かな感動の余韻に浸れる静けさ。「音楽鑑賞の真の楽しみ」を教えてくれる。評価は、B&W802D3 prestigeを③として。

バイワイヤリング接続で。38㎝のKD-15バッフルラジエーターで低音を増幅・補強。

帯域の広さ・②、解像力・②、音の背景の静けさ・②、高域表現(伸びすぎず、詰まらず)・①、中間表現(膨らまず、こもらず)・④、低域表現(締まり)・②、コントラスト・④、制動力(歪みがない感じ)・③、透明感・②、繊細性・①、質感・密度・②、音の輪郭・太い。音の出足・中~低域が早い。音の鮮度・極(極、特=B&W、上、並の評価で)、デザイン・①、音楽の感銘度・⑤にしようとしたが、聴いている内に⑦になっちゃった。特長、明快、明朗、快活、屈託のない明るい音調。そして、柔らかく、ピントがシッカリしている。高レスポンスで爽快、音が弾む。オーディオ的要素ではB&Wより落ちるが、高コントラストな音の印象は不思議。難点、シンバル、ヴァイオリンなどの高域は落ちる。打楽器は少々、締まり感が後退。音が前面に出てくる一方で、奥行きは感じない。繊細な表現は求められない。楽器の質感は総じて今一つ。適性、低音を増強しているためか音の「ボリューム感」がでる。だから、大編成のオーケストラにとどめを刺す。、中~低域にかけての音の躍動感、伸びやかさ、鮮度は抜群。「ハッキリ、クッキリ、スッキリ」した音質がSPの前面に展開される。目の前で演奏しているようなリアリズム。音の「量」がタップリなので、オーケストラを聴いていると指揮者の棒が一閃、100人を超える団員のトゥッティ(注2)が始まり、こめかみに血管を浮かび上がらせて必死の形相で演奏するオーケストラの咆哮。それが自分に向かってくるような音楽体験ができる。残念な事に深みのある陰影コントラストは望めないため奥行き感が無く、楽器の質感がB&Wより落ちるが、そのことがこのSPの瑕疵(かし、欠点、傷の事)にはならない。表面的な「ハッキリ、クッキリ、スッキリ」した音質だが、柔らかさ、シットリ感がわずかに感じられヘレシー(HERESY Ⅳ)より品位の高い音質になっている。

店主評 「(音が)モサモサ、モヤモヤしてない」。

サランネットは磁石で脱着可能。
後方にB&Wが無ければもっと音のヌケが良くなったと思う。伸びやかになったと思う

このLPの再生。今回の再生がいままで聴いた中で一番良かった。CD、レコードともに、どこでも、いつ聴いても「音が薄い」感じがしていた。SPをフォルテ、ターンテーブルをEMT930st、カートリッジを同TSD MRB、フォノ・イコライザーはアキュフェーズ・C-47、昇圧トランスをオルトフォンのST-70、プリをアキュフェーズ・C-3900、同パワーアンプA-75にしてやっと満足のいく再生ができた。このLP、音に「新鮮さと濃さ」が同居しないと聴いていて引き込まれない。

2024 2/13追加 このSPを聴いたあと自宅で音楽を聴くと、SPの奥から音楽が聴こえる。音が前面に出てこない。「あれっ?」と思ってしまう。

(注1)聴き手に音楽がぶっ飛んでくるのでどのジャンルでも酔える!?。ボーカルだと説得されそう、たらし込まれそう。注意してネ。(注2)トゥッティとは、演奏者全員が同時に演奏する事。総奏。全合奏。