オーディオ・ベースマン見たり聴いたり レコード・ターンテーブル・・インサイドフォースキャンセラーの影響とは? その②・・負荷により印象が変わる。
- 2024.03.21
- オーディオ
パイオニア・エクスクルーシブP3。EMTの不具合の件の後、自宅に帰り、P3にもインサイドフォースキャンセラー(アンチスケーティング)が付いているだろうと思い確認してみた。おそらくアイキャッチ画像の真ん中のつまみがそれ。目盛り1.5の位置にあった。それで、それをゼロにしてレコードを聴いた。取扱説明書がないのでこの目盛りがグラムなのか、どのような単位かは不明。ただ、負荷は数字が大きくなるとともに増すと思う。使用カートリッジはテクニカのAT-ART9。針圧は1.8g。
目盛り・ゼロ(0)の位置。まず、レコードの針が最外周部の音が録音されてない溝を捉えない。針が盤面を滑って突如、演奏が始まる。針が盤をひっかくようなこすれた音。楽器の音以外の音、おそらく録音されてない音すなわち暗騒音、ノイズがはなはだしい。音の背景は静かでない。帯域全体の歪(ゆが)み、曇りが激しい。ただ、歪んでいるが楽器の音に近い感じもある。音にふわふわした浮遊感。力強さはない。音のコントラストは出ない。僕は、これで音楽は聴くことはできない。目盛り・1の位置。最外周の溝に針が載る。ゼロの状態より暗騒音、ノイズは軽減。自然な音の広がりが感じられる。歪み、曇りが少なくなる帯域表現。中域から高域の音の伸びが良く、弾性のある軽やかな音。だが、低域の力強さが物足りなく、腰高な印象。音の厚み、コントラストがもう少し強く出て欲しい。個人的には「この表現でもいいかな」とも思える。良い意味で薄味のコーヒーを飲んでいる感じ。目盛り・1.8の位置。帯域全体で歪み感が無くなり、音が安定した印象になる。「ハッキリ、スッキリ」と音が聴こえる。音の背景も静か。低域は締まり、中域はこもらず、高域は「ハッキリ」と素直な音の輪郭。高域の伸びはいまひとつかなぁ?。そのためか、動的、躍動的な表現が出にくい感じもある。「クッキリ」と厚い音も欲しい。個人的にはこの表現に「軽み」を入れたい。ネット上、オルトフォンのアナログオーディオ大全のページ、ⅵ.アンチスケーティング(インサイドフォースキャンセラー)の項によると「一般的には、使用カートリッジの針圧と同じ値をかけるべきとされています」とある。目盛り・3の位置。歪み感がずっと後退して、「ハッキリ、クッキリ、スッキリ」とした音質が得られる。音の輪郭が極太になり(ちょっと大袈裟)厚みも増す。自然な伸びやかさは失われ、人為的な帯域全体を圧縮した感じを受ける。詰まったような表現だが、高コントラストになる。額縁に縁取られた「油絵」といった感じ。レコードの再生音を「ガッチリとクッキリ」と聴きたい方はこの音だろう。
僕は今、目盛り1.5にしてます。ちょっとだけ、自然な音の伸び、広がりが再現できるような気がするからです。ヴァイオリンのソロ、弦楽四重奏をメインに聴いているためです。ピアノの時は、ほの暗い陰影表現が欲しいので目盛り・2.2ぐらいにしようかと思います。ピアノの音は「油絵」のようなイメージで聴きたい…。
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