オーディオ・ベースマン見たり聴いたり レコード・ターンテーブル・・インサイドフォースキャンセラーの影響とは? その①・・事の発端はEMT。

オーディオ・ベースマン見たり聴いたり レコード・ターンテーブル・・インサイドフォースキャンセラーの影響とは? その①・・事の発端はEMT。

EMT 930st。やっと入荷されたEMTの縦十字のピン配置のカートリッジ・TSD MRBを装着。喜々として音出し。ところが、レコードに針を落とすと音が歪む、こもる、曇るといった再生音が…。あれ~どうしちゃったの?。

トーンアーム・EMT929。写真ではぼやけているが、写真中央の細長い鉄板、鉛のウエイトに繋がっているテグスの取り付け位置が、三か所選べる。

その原因とは如何なるものか?。フォノケーブルの接続なども考えられ、店主がアレコレと対応してみたがわからなかった。回転はストロボで確認すると安定。モーターなど駆動系は大丈夫。あとは、配線、コンデンサなど電子部品の劣化などが考えられる。それらの原因に由来するものだとしたらお手上げ。ただ、購入時から気になる事があった。トーンアームのインサイドフォースキャンセラー(アンチスケーティング)として使用するウエイト。写真中央下部に慎ましくテグス(釣り糸)を介してぶらさがっている丸い鉛。重さは約2g(測りなおしたら0.9でした)ほど。インサイドフォースキャンセラーとはオーディオテクニカによると「レコードを再生する際、カートリッジが内側に引かれる力の発生を緩和するための機構」とある。EMT929のアームは、アームを`外側に引っ張る錘‘で調整される。「いまさらどうして、そんな事を持ち出すの?」と思われる方がいらっしゃると思われるけど、僕、ベースマンにてこのキャンセラーの重さを調整しているのをみたことがない。パイオニア・エクスクルーシブP3も自宅に持ち帰り、そのキャンセラーのつまみ位置を操作したことがなかった。P3の取扱説明書がないため、見慣れない…じゃなく操作した事のないつまみ類は一切動かさなかった。また、店で使用したSMEのアームもテグスに錘がついていてそれでアームが内側に引かれる事を相殺していることはわかっていたが、その錘はカートリッジの針圧が変わろうがいつも同じ錘。

トーンアーム・EMT929はトーレンスが製作したもののようなのでネットで調べるとそのウエイトの重さは不明だが、結構な大きさのものが標準装備されている。そして、シャフト側から2.0、2.5、3.0グラムと取扱説明書に指示があることが判った。

…という事は、「ひょっとして、インサイドフォースキャンセラーのかけ方、つまり重さ如何で音質が変わるのではないだろうか?」という疑問が湧いてきた。

僕、パイオニア・エクスクルーシブP3を5.6年使っているがインサイドフォースキャンセラーなんて気にしなかった、知らなかった。ネットで調べると、その使用の可否を含め色々な物理的現象、説明、報告、意見がある。お読みになられた方が混乱しないように、その②は、自分が設定した針圧に対して何グラムの負荷をかけると(もしくは目盛りの数字)、どのように音が聴こえたかという観点から書きます。