オーディオ・ベースマン見たり聴いたり JBL・オリンパス・・その②・・店主評・「こうであって欲しい演奏が聴こえる」。

オーディオ・ベースマン見たり聴いたり JBL・オリンパス・・その②・・店主評・「こうであって欲しい演奏が聴こえる」。

ベーシストでもある店主。オーディオ機器で音楽を聴く際に最も重要視するのは「演奏家がどのように楽器を弾いているかが判断できる事」。演奏家の立場から音楽を聴く、オーディオ機器を評価する。JBL Olympus(オリンパス)。アイキャッチ画像は、渋めに写真が撮れている。実物は、年代相応の遣(や)れが入っている。疲れた感じの色に見える。とりあえず、一曲。ジャズ、ビル・エヴァンスの「ワルツ・フォー・デビイ」。店主、一曲目の途中から「ピアノ、ベースが何をやっているか、どの音を弾いているか分かりやすい」と絶賛。まことに結構な滑り出し。次は、僕が普段、試聴に使っているCDを数枚かけた。分野は、ソプラノ歌唱、オーケストラ、ジャズ、弦楽五重奏、独奏ヴァイオリン、ジャズ・ライブ。

3曲目、Sleals、4曲目、Unpredibleを再生。

数枚のCDを聴き店主、「私の好みに合わないのが(音楽が)あります」と前置き。それでも、オリンパスで再生すると「良く聴こえる」という。どう良く聴こえたかというと「全部に(演奏に)意味があるように聴こえる」と。意味の内容を具体的に説明しなかったが「これまで、さもない(と思っていた)演奏がいい音楽に聴こえた」と続けた。「この演奏(Seals)。これは、新しい録音、新しい演奏。(演奏家として)私が、こうであって欲しいという演奏に聴こえた。(これまで)他の(オーディオ)セットでは`ぬるく´聴こえていた」とやっと自分が満足できる再生音が得られたことを強調する。`ぬるい音´。JBLに繋がれるアンプはマッキントッシュが多い。「JBLをマッキントッシュで聴くと`艶、ウエット感(湿り気)があるように聴こえる」。その音、店主には`ぬるく´感じられていたようだ。それが、「マランツで鳴らすとその逆で`辛口で淡麗な音´がオリンパスから聴こえる」と語り、その`辛口淡麗な音´が演奏のイメージを刷新した。

チェスキー・レコード謹製。

店主は、その音が出た理由を低音表現の充実に求める。「低音楽器(ベース)が良く聴こえたことで(いままで聴いていたディスクの)演奏が違う音」に変化した。オリンパスの低音表現が整っているため「(ディスクに録音されていた)全ての音が出た」。全ての音が出ると「(音楽が)スウィング (Swing)する、ドライブする、躍動する」。結果、「現場の音が生き生きと聴こえる。他のスピーカー(SP)では(低音が)遅れる。(オリンパスでは)低音が遅れない」。オリンパスの低音表現は店主に言わせると「(この音楽は)こうなんだよ、そうなんだよ」と語りかけているという。カミール・サーマンさんのライブCD。「これは、ワンポイント録音だと思います。今までは(今まで聴いた全てのオーディオセット)、ベースが遠くに聴こえていた。(オリンパスでは)ベースの音が立つ(前に出る)。立ったベースの音がボーカルをフォローすることでボーカルも前に出ます。(臨場感あふれる)素晴らしい演奏です」。

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低音の下支えが音楽を躍動させる。下支え。`ごはん、おこめ´だ。滝沢市の巣子、国道4号線沿いに「桂」という天丼屋さんがある。そこの天丼、なんと言っても`ごはん´が抜群に美味しい。鮮度のいい素材を使いサクッと箸で切れる天ぷら、甘すぎず、しつこく無く、奥行きのあるタレもいいが、なんと言っても`ごはん´がいい。そのシャキッとした粒立ち、正に白米というべき艶、見た目は、ちょっと炊きが硬めかなと思われるが口中で噛むと適度な硬さ。炊き加減が柔らかいとベタベタする。天ぷらのカラッとした食感が台無し。炊きが硬いとタレの絡みが今一つ。タレが飯粒に馴染まず、口の中でタレの旨味とごはんの旨味が融合しない。`桂´は絶妙な炊き加減。天丼の美味さを下支えするのは`ごはん´。天ぷらの下にある`ごはん´は音楽で言えば低音楽器。オリンパスを聴きながら、天丼における`ごはん´の役割を考えてしまった…。