オーディオ・ベースマン見たり聴いたり 瀬間千恵のクルト・ヴァイル・・歌の表情豊かで飽きがこない
- 2018.07.18
- CD レコード
マリア・カラスの歌唱を遺された映像で見ると、あることに気づかされる。思いを寄せる男の事を歌う時、あの厚化粧で彫りの深いカラスの表情や声がたちまち純情、可憐な、はにかんだ、可愛い少女に変わる。あぁ、清らか。奸計を巡らせ二人の恋路を邪魔する邪悪な男を罵る時は、毒蛇が鎌首を持ち上げて威嚇、今にもカラスの口から長い舌がペロペロと飛び出しそう。おお、怖っ。それと肩を並べる表現力がこのCDの魅力。
高域から低域まで、歪みの少ない瀬間さんの歌唱をコントラスト高く、解像度高く録音。歌詞内容を十二分に練磨、様々な声の音色を小細工なく使い、歌いきる歌い手の技量を外連味(けれんみ)なく聴かせる。歌の表情が豊かで飽きがこない。演奏者の出過ぎないパフォーマンスもいい。もう少し、音楽の背景がスッキリ(高SN比)で伴奏の帯域が広ければ良かった・・と思うのは欲張りすぎか。レコード、「銀巴里ライブ、幸せな愛などない」より録音がいい。この人の歌、詞の内容がかなり際どいが、いやらしさ、不快さを感じさせない。
CDを聴いていると瀬間さんの声の音色が様々な歌手を思い出させます。矢野顕子、奥居香、松田聖子、岩崎宏美、八代亜紀、美空ひばりといった面々。ああ、そう、ケイト・ブッシュ(Kate Bush)も。ケイト・ブッシュは「ローリング・ザ・ボール(邦題)」という曲のヒットがあります。もとの曲の名前は「Them Heavy People」。
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