オーディオ・ベースマン 見たり聴いたり EMT XSD15・・レコードで硬い音を求めないお方へ

EMT XSD15 。定価19万円。見た目、大きくゴツイ。が、再生音は、センシティブ。ベースマンで試聴できます。

鮮烈に音の輪郭を描き切り、リアルな音を表現するより、柔らかく、耳当たりの良い穏やかな音質が持ち味のカートリッジだ。

今まで、聴いたカートリッジの中で、一番、柔らかい音がしたのはマイソニックの製品。きめ細かく繊細、皮膚を極細の刷毛でソッと撫でられたような感覚でもって聴き手に迫る。XSD15のトーンは、そこまで柔らかくはない。解像度は良好だが、SN比はやや弱い印象。柔らかめの音質と相まってハッキリ、クッキリという音質は求められない。そのためか、帯域もやや狭い印象。また、最高域、最低域ではダンピングが弱いのかその表現に力強さはない。陰影感、コントラストといった面もイマイチかも。

ただ、中低域から中高域まで、強調された帯域がなく、音の谷間がなく、繋(つな)がりがいい。また、音の立ち上がり、スピードも柔らかく、好反応だ。

「レコードに高解像度基調の音(硬め)が、必要ない!」という方はどうぞ。

なお、モノラル再生はあまり得意でない印象。