オーディオ・ベースマン見たり聴いたり ヤマハ GT-5000 その③・・滋味掬すべき音が欲しい。

オーディオ・ベースマン見たり聴いたり ヤマハ GT-5000 その③・・滋味掬すべき音が欲しい。

高解像度基調の音質のGT-5000。聴き込んでいくと、上手(うま)く再生できない部分も出てきた。というより、僕の好みとは違った音が聴こえるというべきか。シンバルの音がつぶれる(平坦)、管楽器のフルート、オーボエ、クラリネット、三者三様な質感の違いをもっとはっきりさせたい、ピアノの音の輪郭が強すぎる、チェロの深みのある音色がもう少し欲しい。ということで、音質を向上させるべく、費用のかからない方法で改善努力を行った。

まず、基本に立ち返り、水平器を使い水平バランスを整えた。その際、足元の脚、インシュレーターの溝一杯まで締めこまれていたのに気づき、締め込みを緩め、その位置を「浮かせ」た。「高域の硬質感というか、チラつきを抑え、倍音表現を柔らかめにしてその表現を高めたい」との思いからプレイヤーの下にタオルを敷いた。そして、物は試しで、アコーステック・ソリッド・マシーン・スモールの赤いターンテーブルシートを拝借。ターンテーブルに載せた。以上の3点の改善で、ベスト(最高)とは言わないが、ベター(より良い)に。一番、効果があったのは、シートだったと思う。

ヤマハ GT-5000。高精度、高解像度、高SN比の性能が効果的に働き、音楽を解剖し過ぎて深みのある感動をもたらす要素に欠けているかもしれない。滋味(じみ)掬(きく)すべき音、つまり、豊かで深い精神的な味わいをすくいとるような表現が欲しい。あくまで、個人の感想です。