オーディオ・ベースマン見たり聴いたり クリプトン KX-0.5P その①・・ライバルはアッコルド!?
- 2021.05.31
- オーディオ
クリプトン(KRIPTON)のスピーカー(SP)、KX-0.5P、ピアノブラック、22万円ほど。「アッコルドがライバル。ブログの記事、キャッチコピーは、これがいいんではないのでしょうか?。藤井さん?」と店主。
SPの筐体(きょうたい)に穴の空いていない密閉式 。帯域表現は、高域から低域まで過不足なく出ている。明るくもなく暗くもない均等なトーン。筐体の密閉が、影響しているかどうかは、判らないが、上に突き抜ける高音、「ズズズッ」と沈み込む低音は感じられない。しかし、引き締まった低音力、膨らまず、籠らない中音、響きが拡散せず、きめ細やかにまとまる高域。帯域全体、音の質感、密度感に優れ、音の輪郭が崩れない。奥行きがあり、音の輪郭が「クッキリ」している。誇張された帯域は無く、褒(ほ)め言葉として「どこを切っても金太アメ」的な性能。日本製造業の「満遍なく作り込みたい」という願望がもたらす「生真面目な(生真面目すぎる)音」。奥ゆかしさ。「日本の匠の力量、ここにあり」。
で、アッコルドを聴くと…。ニコニコしながら「(聴いている)こっちが(こちら側が)聴きたいように鳴る」と店主。好きな音楽を聴くとき期待する、こういう音色、あのような表現、自分が求めたい音質、音楽が自然に湧き出てくる。音の密度感はクリプトンが上。アッコルド、密度感が乏しいが、帯域は広く、明るめの音調で、リズミカル。解放感に溢れ、奔放(ほんぽう)。襟を正すかのようなクリプトンの性格とは正反対。音の質感は、ほぼ互角。両者とも高域で音の輪郭を形作らず、自然。”ピチピチ”した、新鮮な音の輪郭はアッコルド。帯域全体の力強さは、2機種ともよく、弱音でも‘音が痩せない‘良さがある。‘ちょっと湿度感のある日本的渋み’を感じるクリプトンか、‘ちょっと乾いたサラリとして明快明朗’なアッコルドか。聴き比べると、タイプの違う演奏家のコンサート。「演奏の表現方法は違うが、二人とも素晴らしい音楽を聴かせてくれた」と帰路の道すがら思い返し、余韻に浸れるような比較試聴。
価格差を超えて、どちらにも魅力を感じる。
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