オーディオ・ベースマン見たり聴いたり ゴールドムントのプリアンプ・・二つの意味で「クール」。

オーディオ・ベースマン見たり聴いたり ゴールドムントのプリアンプ・・二つの意味で「クール」。

ゴールドムントのプリアンプ、MIMESIS 27.3ME。2004年発売。当時価格98万円。中古品。30万円で販売。試聴前は、有名ブランドによる『プラセボ効果(注)』たっぷりのアンプとバッサリ切るつもりだった。が、聴いてみたら、なんの何の、音の輪郭の太さに魅力があった。アキュフェーズ・C-3900との比較。C-3900を③として。⑤段階評価で。 オーディオ・ベースマン。今月の25日(土)から来月の12日(日)までB&W804D4、同805D4の試聴ができます。805は新旧の比較試聴が可能です。

接続は、アンバランス接続のみ。メカ的には弱弱しい印象。

帯域の広さ②、解像力①、SN比②、高域表現(伸びすぎず、詰まらず)②、中間表現(膨らまず、こもらず)②、低域表現(締まり)②、コントラスト③、制動力(歪みがない感じ)①、透明感②、繊細性①、質感・密度⑤、音の輪郭 太い。音の出足、早くないけど、「ドン」とか「ドスン」と力感逞(たくま)しく出る。音の鮮度 上(極、特、上、並の四段階で)、デザイン⓪(高級感なし。ゴールドの銘が泣くぞ)、特長、音の輪郭を極太に構築。歪み少なく力強い轟音(ごうおん)、爆音(ばくおん)、有体(ありてい)に言えば、「音がでかい」。難点、全てのオーディオ的性能はC-3900より落ちる。適正、全て。寸評、ジャズのベースの音色。音が、締まりきり、弾(はず)み、ウッドの胴鳴りが良く聴こえ「オッ」と思わせたと思えば、弦楽四重奏の第一ヴァイオリンのヴィブラートがやたら誇張されて聴こえ「これやり過ぎ。でも、面白いな」と笑わせたりと、自分が好きなディスクの`ツボ‘にこのプリの再生音がハマれば個性的な表現を聴くことができる。その意味でも魅力がある。

店主評 「音の大きさで誤魔化しているかも…。シルキー(なめらか)だし、スマートな音。クール(寒色系)でクール(カッコいいという意味)な音でもあります。サッパリ感がある昼光色(ちゅうこうしょく、蛍光灯みたいな色)と言い換えてもいいです」。ちなみに、店主によるとC-3900は、暖色系(だんしょくけい)の白熱電球だそうです。

(注)医学の世界には、思い込むことで効果が出る「プラセボ効果」というものがある。ウィキペディア(Wikipedia)によると偽薬効果(ぎやくこうか)、プラシーボ効果(placebo effect)、プラセボ効果とは、偽薬を処方しても、薬だと信じ込む事によって何らかの改善がみられることを言う(例:ただのキャンディを酔い止めと思い込ませて舐めさせると酔いがおさまる)。その効果、オーディオの世界でも当てはまる。有名メーカー品、高額品、雑誌などで評価が高い、高かった製品を所有することでその製品の持つ音質、性能とは別に意図的にか、もしくは無自覚にその製品を過大に評価し自己満足に浸(ひた)る事がある。ゴールドムントは、そのような効果が最大の魅力…と書こうとした。