オーディオ・ベースマン見たり聴いたり EMT930st・なぜ?歪む その①・・針圧だった…。

オーディオ・ベースマン見たり聴いたり EMT930st・なぜ?歪む その①・・針圧だった…。

EMT930st。EMTの縦十字のピン配置のカートリッジ・TSD MRBを装着…したのはいいが再生音が歪んでいた。LPレコードを再生して20分ほどすると「あれ?、どうして」。音が歪む。アレコレ、3時間ほど店主とその原因を探った。原因は不明。それで、最後に店主、針圧を2.0gにしてレコードを再生。「すっごく、いいじゃん!!」と二人でニッコリ。やれやれ、やっと930stの実力を聴くことができた。

メーカー指示の針圧は、2.5gなのだが…。

煌(きら)びやかさに`渋み‘という彫琢を施し磨き上げられた高域表現。こもらず、膨らまず揺るぎなく構成される中域だが、時折、混じる`音のゆらぎ‘が、聴き手の緊張感をほぐす。スピーカー(SP)から床を通して足元に伝わる振動は、下へ下へと沈み込み低域を力強く補強し、「クッキリ」とした彫りの深い音の陰影表現を可能とする。制動されながら回転するターンテーブルがもたらす「スッキリ」とした音場。レコードの溝から拾われたばかりの新鮮、鮮烈な音。それが「クッキリ」と立体的に浮き出し自然に音場を押し広げる。レコードが録音された時期はずっと昔。だが、今、まさに、この場所で、演奏が始まり、音楽が躍動する。リアリズムの極致。レコード再生芸術、ここに極まれりの感。

使用機器は、スピーカー・B&W802D3 prestige、アキュフェーズ・C-3900、A-80、C-47、アキュフェーズ・クリーン電源、オルトフォン昇圧トランス・ST-70、クリプトン、タオックのオーディオボードなど。

クリプトンのオーディオ・ボード上に設置。効果があるみたい。

「2.5の針圧で歪みが生じたのは、アームの高さが関係しているかもしれません」と店主。取扱説明書がないのでトーンアーム929の標準的な高さはわからない。ただ、店主の感覚ではアームが高いような気がするとの事。アームの高さでも音は変わる。取扱説明書には2.5gの針圧。針圧の幅が記載されてないので2.5のみで試聴していた。トーンアーム929の高さは変えない。このままで使用していく。高さを変えると音質が変わるが、どれが正しい音なのか分からなくなってくる。今のEMT930stの音は「これまで聴いた中で最高の音。実演に近い」。その状態を変えるのは「愚の骨頂」というもの。再生された音楽に感動、曲が終ったらスピーカー(SP)に向かって拍手して聴き終えたい。