オーディオ・ベースマン見たり聴いたり EMT(アナログ)VS DP-770(デジタル)・・好勝負でした。

オーディオ・ベースマン見たり聴いたり EMT(アナログ)VS DP-770(デジタル)・・好勝負でした。

レコード・プレイヤー・EMT930st。中古価格100万円ほど。アキュフェーズ・SACDプレイヤー・DP-770。価格150万円ほど。レコード(アナログ録音)とCD(デジタル録音)の比較試聴。最初に書いておきますが、デジタル録音は、アナログ録音に逆立ちしても敵わない。その理由は、記録媒体に封じ込められた記録の量が違うから。ひらたく言えば「情報量がアナログの方が多い」から。評価はレコード(アナログ録音)を③として。

願わくば、EMTとDP-770を同じラックに入れて音楽を聴きたい。…無理無理。

帯域の広さ・③、解像力・③、音の背景の静けさ・④、高域表現(伸びすぎず、詰まらず)・③、中間表現(膨らまず、こもらず、痩せず)・③、低域表現(締まり)・②、コントラスト・②、制動力(歪みがない感じ)・⑤、透明感・④、繊細性・②、質感・密度・①、音の輪郭・少しかすむ(ギザギザがある)。音の出足、変わらない。音の鮮度・特(極=EMT、特、上、並の評価で)、デザイン・③、音楽の感銘度・③。寸評、770は、チリパチといったノイズがない。音の分離、セパレーションがいい。楽器の位置が明確。低歪み。CD(デジタル)は音がモザイク状になり、今一つ質感・密度感が薄い。荒れた感じにも聴こえる。聴き手に訴えかける音の要素はEMTより落ちる。EMTは、レコード(アナログ)の色々な音を丹念に拾っており、雑音もあるがリアリティーに富んだ音がする。ターンテーブル、レコードの材質や`反り´の影響からかどうしても歪みが生じる。楽器、人の位置の定位感も曖昧。カートリッジのトレース時のノイズもある。EMTは、楽器、人の声に近い質感でデジタルに勝り、770は、明確、強固な楽器、人の定位感、歪みの無さでEMTに対抗する。総合的に判断すると770の再生音、聴き比べると曖昧、微妙な質感は落ちるものの、十分、EMTの音と渡り合える。EMTの太い音を聴いた後でも音が痩せた感じに聴こえないのが良かった。

店主評。「(レコードの音は)モーターのゴロ、(カートリッジのレコード溝の)トレースのひずみがメチャクチャある。でも、音の出る瞬間、楽器の音はアナログは(デジタルより具体的で)良い音です。(右、左からのスピーカー(SP)から音がでる)左右のセパレーションは、アナログが針一本で(左右の音が録音されている左右の溝を)捉えるため(どうしても)音が混じります。その点、デジタルは2チャンネル(右、左分けて録音され、再生時二つに分かれて音が出てくる)なのでセパレーション、定位はいい」。

聴いた演奏は、日本が世界に誇るトリオ(TRIO)の名録音。昭和44年2月25日、埼玉会館大ホール、ウィーン室内合奏団によるモーツァルトの弦楽曲、「ウィーンのモーツァルト 第1集」。音楽総監督・ミキサーは、若林駿介氏、ディレクターが草刈津三氏、当時トリオの社長は音楽評論家の中野雄氏。中野さんは録音に立ち会われた。