オーディオ・ベースマン見たり聴いたり トライオード・TRZ-P300W その④・・SiCが低音の締まりを演出?。
- 2025.02.02
- オーディオ

トライオード(TRIODE)の真空管パワーアンプ・TRZ–P300W(66万円ほど)。極めて自然な低域表現。見事だった。低域を引き締めることなく低音の陰影コントラストをしっかりさせ聴きごたえのある音質を提供する。同社のA級パラシングルの前作、TRZ-300W。同製品は、「ハッキリ、クッキリ、スッキリ」した音質ながら、今一つ、僕にはその音質が「ピンッ」とこなかった。硬質な表現だと感じられた。それは、音楽を楽しむ者の感覚に訴えるものではなくかつ「琴線に触れるもの」が無かった。
TRZ–P300W。何故、低域表現が向上し「琴線に触れるもの」になったのか?。答えは、整流素子にあると思う。カタログ文中、「~整流素子には応答が良く損失の少ないSiCショットキーバリア整流ダイオードを採用しました」とある。プリメインアンプのTRV-A300SE(廃盤モデル)、CDプレイヤー・TRV-CD4SE(廃盤モデル)あたりの頃は整流菅には真空管を使っていたと記憶している。それがトランジスタに置き換わった事で音質が硬質的なものとなり、柔らかさとか柔軟性が後退したと感じていた。その事が「琴線に触れるもの」が無くなった原因かもしれないと思っていた。SiC整流素子採用が300B真空管の低域表現不足を補い「ハッキリ、クッキリ、スッキリ」とした音質ながら作為の無い、自然な広がり、展開を可能としたのかもしれない。そう考えると店主が「真空管アンプは、音色がキレイ、音色(ねいろ)がリアル、なめらか、艶っぽいといった評価があったのですが、このアンプは(それに加え)(演奏を聴くと)演奏者の脱力して演奏している(のが分かる)。(C-3900+A-80の)アキュフェーズに比べ低音が押し切れない。(のですが無理せず、技巧を凝らさず)中音の出せる音を出す(感じ)」と喝破(かっぱ 注)した事に頷(うなず)けるものがある。
このアンプ。再生するときスピーカー(SP)を凝(こ)りたい。音が前に出てくる感じが弱いので、音が前に出てくるアッコルドで。音楽、その単語を分解すると音を楽しむ。トライオードの真空管プリアンプ・EVOLUTION PREとパワーアンプ・TRZ–P300W。それに、フランコセルブリン・アッコルド。この組み合わせだと音を楽しめる。音楽を楽しめる。僕は十分に楽しんだ。
ウィキペディア(Wikipedia)によると「炭化ケイ素(たんかケイそ、英: silicon carbide、化学式: SiC)炭化ケイ素(たんかケイそ、英: silicon carbide、化学式: SiC)。硬度、耐熱性、化学的安定性に優れることから、研磨材、耐火物、発熱体などに使われ、また半導体でもあることから電子素子の素材にもなる」とある。僕は、以前からSiCは、釣り竿の糸を通すガイド(輪)部分に採用された事で知っていた。何故採用されたかというと、強度、軽量、放熱性の高さ、糸の滑りの良さだったように記憶しています。なお、`ゴールドサーメット´という黄金色のガイド素材があり、黒色のSiCより断然、ロッド(竿)の見栄えが良くなり、トップ・ガイドの視認性が良かった。道具として映えました。
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