オーディオ・ベースマン見たり聴いたり エラ・フィッツジェラルド デューク・エリントン・・「イカした世界」の音楽です。
- 2018.10.04
- CD レコード
「・・品の良いというより、イカした世界です」。出品者によるコメント。それが、このLPの全てを物語っている。
エラのよどみなく透明で明瞭な英語の発音。日本人にも聞き取りやすい(普通の日本人、6年ほど英語を必須科目で習うため、多少は英単語を聞き取れることと思います)。神韻縹緲(しんいんひょうびょう)として融通無礙(ゆうづうむげ)な世界が展開される。平たく言えば、音楽以外、なにも感じさせない、聴かせない。気張ることなく、誇張することなく、しなを作ることなく、余計な表情を付けない極めて自然なエラ・フィッツジェラルドの歌唱。そして、デューク・エリントンとそのバンドのしゃしゃり出ない伴奏。
音楽の鳴りだす前の静寂さを思わせるSN比の良さ。各楽器の解像度も良好。ひずみが少々あるのが惜しい。低域の重量感がやや不足しているような気がするが、帯域も十分広く、高域も繊細に伸びる。中間帯域のボーカルはコントラストが高く、音像も整っている。各楽器もハッキリ、クッキリ聴こえ、音の輪郭がしっかりしている。それでも、艶、なめらかさを失わない。作為を感じさせない録音も素晴らしい。
まさしくこのLPは「イカした世界」。
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