オーディオ・ベースマン見たり聴いたり タンノイ オートグラフ その②・・「箱鳴り」とはこのような音。

タンノイ オートグラフ。中古品 ユニットは交換済み。発売当時から予備として保管してあったもので新古品です。この位置が、店舗内でのSPのベストポジション!。そのうち、B&W800Dもこちらに移動します。やっと、探しあてました。

「箱鳴り」。「箱鳴り」するスピーカーとは「オートグラフ」のようなスピーカーのことをいうのだろう。筐体が、コントラバスのごとくチェロのように「胴鳴り」する、震える。

販売金額は、120万円ほどの予定。

ベースマン、No1のSPセッテイングの名手・八重樫さん曰く「(自分にとって)嫌いな音が出てない」。ご本人、カンタベリーが愛機。

帯域は、下が40Hzほどが限界で高域がどの程度でているのかは分からないが、広くない。解像力も弱く繊細さは求められない印象。奥行き、コントラストの高い陰影表現も期待できない・・そして、力強さ、ゴリゴリの力感は感じられない。(ちなみに、B&W800Dの低域は、20Hz)

といった弱点を抱えながらも、興奮気味の店主。「このスピーカーでオケを聴く喜び!」「ふくらみはあるけど、濁らず、スピードの速い、押し出しの強い低域!。「(それが)曲にリズムを与え、楽しく聴こえる。パーン、パーン、ポーン、ポーンといった感じで低音がリズミカルに(軽々と)出てくる。ねぇ、(鳴っている)音楽が楽しいでしょう!」。そういわれて、聴きながらオートグラフに目をやると筐体がリズムをとり、身震いしながら音を出しているような気がする。対の木製の箱が、身体全体を震わせ、音を放出して店内の音場を支配する。宮﨑アニメのごとくSP足が生えて「のっし、のっし」と店内を動き回ってもおかしくない。心地よいその木製の振動(音)。ウーン、その愉悦、説明不能。見て聴くしかない。ちなみに、「音は体で体感するものなのかもしれない」と思った。演奏会に行くとそう思う瞬間がある。

オーディオ的性能説明としては、弾性に富む中低域のエネルギーが、高域から低域にかけて高レスポンスな音の表現を可能にした・・。

ジャズもクラシックも声楽も素晴らしい歌唱で聴かせてくれる。「箱鳴り」のSP、それに憑りつかれた者は、その「箱」から生涯出られない(おそらく)。くわばら、くわばら。