オーディオ・ベースマン見たり聴いたり フランコ・セルブリン リネア その① 部屋のカスタマイズも併せて楽しみたい。

フランコ・セルブリン リネア (LIGNEA)。定価74万円。リネアの流線形の楽器のようなフォルム。背後に四角のSP群。「(良いを音を奏でる)楽器に四角形というのはありませんよね」と店主。
写真でもお分かりと思うが、アキュフェーズ、トライオード、ヤマハのプリメインアンプで試聴。各アンプの個性を損なわない性能。あっ、右下隅のヤマハは見えないか…。

「歌わないフランコ・セルブリン」と書いたら製作者におこられるだろうか?。

小型スピーカー、帯域は狭い。無理な性能、表現を狙わず、自由闊達に音楽を楽しませてくれる。「ドンシャリ(な音)ではない」と店主。

音調は、やや、硬質で、少々、明るめ。高域を引っ張らず、中間帯域を張り出さず、低域を押し出さない。まとまりのある帯域バランスは、好感が持てる。「緩まず(好解像度)」、「(音の立ち上がりが)遅れず」、「くすまず(好SN比)」な性能。音の輪郭を極太にハッキリさせ、艶めくような妖気を放つアッコルドとは正反対。立体的な音像、広大な音場をこのSPに求めてはいけない。大草原を吹き渡る「一陣の風」といった軽やかな印象を与える。また、繊細さも持ち合わせ、壁に反射する音、空間に漂う倍音成分も十分に再生。

「演奏家の意図を損なわない」。再生する音楽のジャンルを選ばない。

サブスピーカーとしてベスト。だが、新築、リフォームした真新しい部屋で寛いで音楽を聴きたい人に勧める。1.5メートル前後のニア・フィールドで楽しみたい。合わせて、部屋の置物、家具、壁回りなどカスタマイズ(?)にも取り組みたくなる逸品だ。

2020 9月15日 追加 盛岡のジャズ喫茶 開運橋の「ジョニー」の照井 顕(てるい けん)さんが、このスピーカーを聴いて、「いい」と一言。これまで、ベースマンで各種製品聴いても、一言も感想を漏らしたことのない人らしいが…。「どこが、いいのか」。細川さんは訊ねなかったという事です。