オーディオ・ベースマン見たり聴いたり アキュフェーズ AC-6 その②・・低域は少々、薄いけど。

オーディオ・ベースマン見たり聴いたり アキュフェーズ AC-6 その②・・低域は少々、薄いけど。

やっぱりね!。AC-6に取り付けてあるヘッドシェルを見た瞬間、そう思った。ヘッドシェルは、オルトフォン LH-8000。材質は木製。金属のヘッドシェルでは、高解像度基調の硬質な音質。僕なら木製で”カイゼン”と考えていた。

ジャック・ゲステム Reveries 回顧調の音質、演奏。ジャケット写真が抜群。

アキュフェーズ AC-6 with ヤマハ GT-5000。高解像のGT-5000との組み合わせはオーディオ的要素を十分に満たし、起伏のある硬質な音調を予感。CD顔負けの高SN比、高解像度に只々、唖然(あぜん)、呆然(ぼうぜん)、慄然(りつぜん)。曲が始まった途端、その鮮烈な音に開いた口が塞がらず、曲が終わった後、しばし、我を忘れ、時間がたつと写実基調の高精度な音に背筋に寒気が走る…、と思いきや、意外に、芸術基調も垣間見られる音質。予感とはいささか趣を異にした音質だが、こちらの方が好みだ。

ヘッドシェル。LH-8000。オルトフォンのカタログを見る。「飛騨の匠の手作りのシェルは木質の柔らかさと暖かさの音質、漆塗りの表面は音に輪郭のはっきりした音像求めた」とある。木製のヘッドシェル装着が音質の変化をもたらしたのだろう。以前、他のメーカーの木製のヘッドシェルを聴いたことがある。音質が柔らかくなるとともに、低域を中心に音場を拡大、締まりの緩い音に変化する。高解像度基調の硬質感を取り除くためには、「木質のヘッドシェルかな」とおもっていた。

B&W802D3 Prestigeでの再生。店のリファレンスが代わったため印象もちがうのかもしれないが。低域は、解像度、エネルギー密度が、やや後退、クッキリとした陰影表現は得られない。低域表現が弱いためか、ほんの少し帯域が狭く全域のコントラストが薄いような気がした。矛盾しているが、低域を気にせず聴けば、中低域から高域にかけては、申し分のない音質。オーケストラでの弦楽器、管楽器の音色が明瞭。楽団奏者の定位も明確。低域を求めない僕としては、十分満足。

ついでながら、カタログで値段(37万円)を確認すると、この見間違えの無い事実に悄然(読み・しょうぜん、意味・しょげる。悲しいさま)となった。