酒徒礼讃 日本酒 岩手県宮古市・・千両男山・・「濃厚」だが「スッキリ」

酒徒礼讃 日本酒 岩手県宮古市・・千両男山・・「濃厚」だが「スッキリ」

撮影場所は、浄土ヶ浜パークホテル・517号室の窓辺。左隣りが、スイートルーム。残念ながら、天候に恵まれなかった。恵まれれば、朝、左手から日が昇り、筆舌に尽くし難い「冬の朝焼け」が見られた(と思う)。

撮影時刻は、夕方。快晴なら夕焼けを背景に撮影できたのに…。

日本酒だけど「濃いワイン」のような味。一升瓶から酒盃に黄色味を帯びた液体を注ぐ。饐(す)えた米の濃い香り。口に含むと、「甘酸っぱい」。ワインを連想させるような酸味。かすかに米の「旨味」が…、えっ、ない!。口当たりは、「トロリ」。ワインの「サラサラ」とは違う。濃厚な甘酸っぱさが、じわじわと口全体に浸透する。一口、二口、三口と飲み干すにつれて口中は「マッタリ」と。「酒粕」の饐えた味は、しないし、米の「旨味」もしない。不思議だ。後味は、酸味と僅(わず)かな抉(えぐ)味。醸造酒。酵母が発酵、いい仕事をしている。立体的で奥行きのある「濃厚な酒。でも「スッキリ」している。「淡麗辛口」とは、まるっきり正反対の日本酒。杜氏の心意気ここにある。

浄土ヶ浜パークホテル。ホテルの部屋からの景色。電柱、宅地、他の宿泊施設が見えない。いい!。そして、何といっても、充実した『朝食』。どのくらい充実しているかというと、盛岡に「エース」という朝食のおかず種類が盛り沢山で魅力のビジネスホテルがある。そのホテルの朝食にワカメ、ヒジキ、マツモ、ホタテ、イクラ(少々、粒が小さい)など多くの三陸の幸をこれでもかと追加した内容。特に、「短角牛のカレー」には感動した。これだけでも、僕は十分!。噛み応えのある肉は、カレーとの相性はバツグン!!。浄土ヶ浜パークホテル、立地のロケーションもさることながら、朝食を食べるだけでも満足この上も無し…と思う。

アメリカの作家であるO・ヘンリーの作品に「桃源郷の短期滞在客」という短編がある。今、日本の各地。その短編の話のようにホテル滞在している人もいるのかな?。このホテルならその気分が、味わえる。

岩手県宮古市鍬ヶ崎下町5-24 ㈱菱屋酒造店 純米酒 千兩男山(せんりょうおとこやま) 一升 2500円ほど。杜氏 辻村 勝俊