オーディオ・ベースマン見たり聴いたり 1980 秋吉敏子トリオ in 陸前高田・・録音してくれていて、ありがとう。
- 2021.11.20
- CD レコード
ジョニーズ・ディスク謹製。このCDを聴いた後、店主は語った。「1980年の陸前高田(のライブ)ですか。お客さんの熱気、‘ワクワク感’が(感じられて)すごくいい。すごくいい演奏。(いい演奏というのは、おそらく、秋吉さん)東京のうるさ型のジャズファンから離れて(中央からは遠く離れた田舎で、なんの気兼ねもせず)伸びやかに、清々(すがすが)しく(ピアノを)弾いている。私もこの時期、ジャズをやってましたけど、埒外(らちがい)でした(注)」
感銘度⑦、 帯域の広さ④、解像度④、SN比③、高域表現④、中間帯域の表現④、低域表現③、コントラスト③、音像定位(センター定位)②、録音現場(空間)表現③、音の鮮度⑤。 寸評、 このブログを書くため、参考にとライナーノーツを読んだら、この音源、秋吉さんに演奏会の公式録音を断られていたので、個人的にカセットテープに録音したもの。ベースが近い、ドラムが遠い、トリオがセンターに集まってしまう、音が歪む、混濁するーといった欠点があるが、信じられない音の鮮度だ。今な無き陸前高田市民会館大ホールでの、1980年6月13日の、その日の演奏者と観客の感動が共有できる。素晴らしい!。クラシックでいえば、1940年4月13日にワシントンの国会図書館で行われた、エリザベート・スプレーグ・クーリッジ・フェスティバル主催の演奏会、バルトークとシゲティによるソナタ・リサイタル。それを当時の音楽部長の計らいでアセテート盤に録音、保存しておいた経緯に匹敵する快挙だと思う。
CDのトラック③の秋吉さんのトーク。自分の演奏を聴いてもらえるのが、 余程、 嬉しかったようで、「皆様、こんばんは」と一言いった後に、楽しそうに笑う。2:00分から「私は、昔っから、今でも、将来も、ジャズファンというのは限られた人数だっていう、まあ、私(にはそういう)頭がある」と語る。ここでポーズボタンを押し店主に訊ねる。「どう思います」。店主「そうです」とニコリ。また、再生ボタンを押す。「ジャズは非常に個性的な音楽だから、聴く人も、で、それを楽しむ人も非常にそういう特殊な性格な人っていうことがいえる(笑)」と続く。また、CDをポーズして、問いかける。「ええ、そうです」とまたニコリ。そして、秋吉さんは、自分はジャズミュージシャンなので、そういう数少ない人たちに聴いてもらえるため、演奏するのが信条で最高の望みだと語ってトークを締めくくった。
秋吉敏子さん。秋吉敏子のジャズを陸前高田市民会館で披露。聴衆は、何を思い家路についたのだろうか?。このCDを聴けば、その答えが判る。
(注)岩手で、こんな素晴らしい演奏会(ジャズ)があったことを知らずに今までいて、恥ずかしいという気持ちがあるようでした。
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