オーディオ・ベースマン見たり聴いたり アキュフェーズ C-2900 その②・・音が加速する!。

オーディオ・ベースマン見たり聴いたり アキュフェーズ C-2900 その②・・音が加速する!。

アキュフェーズ プリアンプ・C-2900。同C-3900との比較試聴。「目が覚(さ)めました」と僕の右後ろから一緒に試聴していた店主の声が。時刻は、夕方、午後3時半ごろ。その日は、午前中から、中古品を持ち込んでのお客様の自宅試聴とスピーカー(SP)にユニットの交換という二件の仕事を終え、二時頃、店に帰宅。疲れていたらしい。試聴中に居眠りを…。試聴していたのは、C-2900。曲は、ビル・エヴァンスの「ワルツ・フォー・デビイ」(ビクター・1986年盤)。トラック4、MY  ROMANCE、同5、SOME OTHER TIME。

バッティストーニ 指揮。 ベルリオーズ:幻想交響曲  黛(まゆずみ)敏郎:舞楽。DENON COCQ85492

店主、「 5曲目、SOME  THER TIMEをもう一度…」。そして、C-3900に。「(C-2900は、エージングが進み)瑞々(みずみず)しさ 、透明感がでてきた。やはり、音の厚み、スピード感が圧倒的にある」と店主。この2曲に関しては、「演奏が始まった瞬間、第一音の立ち上がりが早い、C-2900が上だ」と僕は言った。店主、「CDを変えます」と。おもむろに『キース・ジャレット・The Melody At Night with you』をCDプレイヤーのターンテーブルに載せた。まず、C-3900で聴き、C-2900へ。「ピアノ(を弾く両手)の打鍵、C-2900の方がでる。(でも)3900は、値段通(どお)り。(音は)細く、繊細、(キースの音の)表情、表現(しようとしていもの)が聴こえてくる」と店主はいう。C-3900は、 ‘澄み切った’空間に繰り広げられる繊細なキースのピアノ表現の極致。一方、C-2900は、スピードはあるが、音が膨らみ、透明感が後退。キースは、C-3900が圧倒。

ベルリオーズ:幻想交響曲での比較。この作品、「失恋した男が、アヘンを飲んで自殺を図った時に見た悪夢」がテーマ。第五楽章、写真のCD、4分過ぎ、コントラバス、グランカッサ(大太鼓)などの演奏から、曲のスピードが激変。『グン、グン』加速、最後にはトップギアに入り、最高速に達し演奏が終わる。聴き手は、「悪夢」から目覚める。スピード感、ストップ・アンド・ゴーに優れるC-2900。一方、C-3900は、音を解像し純度の高い音、透明感のある空間表現、一音、一音を粒立ちの細かな粒子で漂わせるメロディ感、キレイな音だ。そして、(C-2900に比べ)メリハリのない‘平坦’な音(に聴こえる)。音楽をしっかり聴くこと前提とし、要求する(と感じられる)C-3900。「幻想交響曲」は、C-2900で聴きたい。

僕のチョイス。再生ボタンを押したときの”一音目が、早い”C-2900。