オーディオ・ベースマン見たり聴いたり EMT 930 st・・「老い」を感じさせない力強さ。
- 2020.05.12
- オーディオ
レコードプレーヤー・EMT 930 st(惜しくも非売品)。お客様の好意で、試聴できました。「リムドライブによる力強いトルクがいい」と店主。
「腹式呼吸で歌っている」試聴を終え店主が一言。中低域から中高域までの帯域を力強く分解、構成。充実した密度溢れるエネルギー、トランジェント(音の立ち上がり)に優れ、コントラストが高い。硬質感が無く柔らかな音質。音の輪郭が太く、その立ち上がりが良い。一方、高域の伸び、倍音(響き)表現、全体的な解像力、奥行き、陰影感といった要素を気にすると、やや物足りない感じがある。広帯域でないし、SN比は良くない。しかし、それを補う「力強さ」がある。あくまで「力強さ」であり「パワフル」といった暴力的な要素はない。オーケストラといった楽器の多い録音の再生は、苦手な様子。ジャズもいいが、ボーカル再生はバツグンだった。久保田早紀さんの歌唱。他のプレイヤーの再生では、やや杓子定規でクールな歌唱。EMTで聴くと、やや物憂げで、毛糸のブランケット(毛布)にでも包まれたような太く優しい声に変化。EMTの音質。時代を感じさせない魅力を放つ。
ボディは、骨格のみ(筐体がない)。血管は、老化(モーター、配線が丸見えで細く、汚れている)。でも、不思議なことに「柔軟な筋肉質」の音。この音の魅力のため、未だ愛用者が多いという。一度は、耳にしたい音だ。
5月13日 追加 アコースティック・ソリッド・マシーンと聴き比べ。試聴は「キース・ジャレット・トリオ スタンダーズ、 Vol.2」。EMTは、ピアノとベースの音のスピードが合っている。が、シンバルとピアノは、合わない。ソリッドは、逆で、ピアノとベースは音のスピードが合わないが、シンバルとピアノは、合っている。低域表現に強いEMT、高域に強いソリッドとの違いがでたためか?。
ベースマンの中古品。アキュフェーズ・フォノイコライザ C-27、同・CDプレイヤー DP-510(売れました)、オクターブ・真空管アンプ V110が入荷。
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