オーディオ・ベースマン見たり聴いたり トライオード・TRV-A300SE その⑤ 対 アキュフェーズ・A-75。

オーディオ・ベースマン見たり聴いたり トライオード・TRV-A300SE その⑤ 対 アキュフェーズ・A-75。

「音が締まった」と店主。僕、トライオード・TRV-A300SE。僕の所有者の真の狙いは、アキュフェーズ・C-3900をプリアンプ、僕を『パワーアンプ』として、使ったときの音の確認。電源ケーブルには万全を期し、最良と思われるケーブルを使用。A-75は、高解像度で芸術色を帯びたケーブル、アコースティック・リバイブのPOWER SENSUALを、僕は、硬質的で写実基調に徹した揺るぎない音質のケーブル、同パワー・リファレンス(POWER REFERENCE、輸出品)を選択してくれました。評価は、件(くだん)のごとくA-75を③としてだそうです。C-3900でボリュームの調整はしますが、それとともに真空管の音質の魅力を引き出すため、僕のボリュームは、3時あたりから右一杯の位置にして音を出します。「このボリュームは、3時あたりから右一杯の位置で抵抗がゼロになります。その方が音質は有利です」と店主に気を使っていただきました。

委託販売品。ハーベス HL5 plus。美品。値段はお問い合わせください。

帯域の広さ①、解像力②、SN比③、高域表現(伸びすぎず、詰まらず)②、中間表現(膨らまず、こもらず)③、低域表現(締まり)③、コントラスト②、制動力(歪みがない感じ)②、透明感②、繊細性②、音の輪郭 シャープ音の出足 軽い、音の鮮度 極と特の間(A-75を極として)、質感・密度④、デザイン⑤(シンプル イズ ベスト)、特長、音の出始めが軽やか。音の輪郭が引き締まりシャープで柔らかい。帯域は狭いが、滲みなく明快な高域、繊細に解像された中間帯域、質感を損なわず引き締まった低域表現。難点、音が林立するような音像表現、広大に広がる音場表現は求められない。適性、硬質感、力強さ、迫力を求める音楽には向かない。寸評、「フッ」と軽やかな音の出方をするA300SEに比べ、A-75は、「グッ」と力強すぎる。洗練され精度の高い音だが、「力み」を感じる。肩に力が入っている。楽器演奏家は、そのような音の出し方をしない。極力さける。例(たと)えて言うなら、A-75は「優れたアマチュア(素人)演奏家、手放しに上手い」、A300SEは「経験を積んだプロ(玄人)の演奏家、考えさせる物がある」。現代表現の言葉を使えば、`刺さる‘のはA300SE

C-3900が僕(TRV-A300SE)を使い、B&W802D3 prestigeを鳴らす。含蓄(がんちく)のある演奏表現は、A-75より上だったかもしれない。A-75と僕を比較したことで、アキュフェーズの課題も分かったみたいね。音の出方、立ち上がりのその「瞬間」の表現だね。名人、巨匠が弾く楽器の音が出た瞬間は「真空管」の方が実演に近いのかな。僕の所有者は、そこに僕の魅力を見出したみたい。僕、楽しかった。

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「こうして比較して聴くと、真空管アンプを自作して鳴らしている人の気持ちが少し、わかりました。今、聴いたような魅力を求めているのですね」と試聴を終え、感想を店主に伝えた。店主が語る。「お客様に自作の真空管アンプをお使いの方がいらっしゃいます。音の入り口(再生機器)と出口(スピーカー)には、メーカー品を使っている、ハイエンド品を使っています…」。