オーディオ・ベースマン見たり聴いたり アキュフェーズ・C-2300 その②・・説明が長くなりますが、重要な事なので…。

オーディオ・ベースマン見たり聴いたり アキュフェーズ・C-2300 その②・・説明が長くなりますが、重要な事なので…。

アキュフェーズ・プレシジョン・ステレオ・コントロール・センター C-2300。定価80万円ほど。2300の最大の謳(うた)い文句(キャッチフレーズ)は、『4バンド・トーン・コントロールを装備し、きめ細かい音色調整が可能となった』とカタログにある。その解説、いまいち、僕には腑(ふ)に落ちない。店主・細川茂雄は、簡略にその効果を説明する。「聴きたい楽器の音を出せることです。コントロールが他の楽器の音質、音量に影響しません」。おお!。大変わかりやすい。好きな楽器、聴きたい楽器の音量を上げ下げできる!。

コントラバス伴奏のソプラノ独唱。40㎐と125㎐にコントロールして聴く。

4バンド・トーン・コントロールのスイッチをオン。40㎐で再生。つまみを右に回し+3に上げて聴くと、コントラバスの音が濃く聴こえる。前に出てくる。逆に左に回し-3に下げると、コントラバスの音がクリアになるが細くなる。遠くなる。「コントラバスとボーカル。これまでのトーン・コントロールで(少々、コントラバスの音量に不満で)コントラバスの音を(もっと聴きたいと思い)出すと(調整すると)、声も太くなるといった副作用が出た。でも、2300ではその副作用がない。声はコントロールしない時と同じ音質、音量で聴こえる」と店主がその利点を解説する。125㎐。同様に+3、-3で調整。「この125㎐では、ボーカルが変わると思います」と店主。上げるとボーカルが太くなり量が上がる。音色は変わらない。コントラバスの音は変わらない。下げるとボーカルが引っ込む。コントラバスの音は変わらない。

店主が、コントロールを簡単に図解。横が㎐、縦が㏈(おそらく)。

40㎐になだらかに左下がりの赤曲線が普通のスピーカーの音場(?)。不規則な左下がりの赤線がおそらく一般家庭の音場。で、コントロールされた時のイメージされる音場が細い黒線。㏈、レベル、音量が40㎐でも下がらない。125㎐だと125の少し手前から補正(?)される。40㎐は100㎐あたりから補正される。「イメージとして、オーケストラでコントラバスの音が欲しいと思った時では40㎐でコントロール。チェロ、ヴィオラの音が聴きたい時は125㎐を選択すると良いと思います。ボーカルを出したいときは500㎐を」。平山美智子さんのCD・「曼珠沙華」を500㎐の+3にして聴くと、「ハッキリ、スッキリ、クッキリ」して声が前に出てくるが「若々しすぎる声」が演出過剰の感。90歳を超えた時の録音なので創(つく)ったような声はいただけない(注)

マイルスのミュートトランペットで変化を判断。

2k㎐。「これはぜひ、マイルスで聴きたい」と店主の希望。+3に上げる。混濁なく「ハッキリ」と音が聴こえる。音が突き刺さる、音の威力が増す、太く鮮烈に聴こえる。「楽器の音のカドが立つ感じですね。音のカドを立てたいときに使いたい」と店主。-3に下げる。音の量が減る、痩せる、遠くに引っ込む、抒情的(胸が締め付けられるような切なく、哀感ただよう感じ)に聴こえる。ちなみに、アイキャッチ画像。ワルツ・フォー・デビイの「マイロマンス」を聴いている最中に店主がちょっとベースの音が欲しくベースの音量を上げ、騒がしいシンバルの音を引っ込めるために補正した時の写真。騒々しさがなくなり落ち着いてしっとりいい感じのバラードに聴こえる。

「弦楽器のボーイング、弓の擦れ具合、松脂が吹き飛ぶ感じを聴きたい」と店主。「音の鮮烈さ」を聴きたいみたい。

20k㎐。+3の上げ。第一ヴァイオリンの人数が増える。明瞭、解像度が高まり弦楽器一台一台のみごとなセパレーション。鮮烈になる。「(楽器の音の粒子が)サーと周りに広がる空気感がでてくる。楽器の音色に影響はない。空気感がなくならないため、豊かな音になる」(店主)。-3の下げ。第一ヴァイオリンの楽器が固まる、分離しない。レスポンスが鈍くなる。鮮烈さは後退。「削る(-補正)より出した方(+補正)がCDを聴いていてハーモニーと厚みが増す。そして(音が)きつくならない、ふくよかになる」。8k㎐。+3に上げると「(弦楽器の)ハーモニーと松脂が飛ぶ感じは聴こえる」。ただ、ちょっと鮮烈さは後退。-3に下げる。メリハリが取れる。ソフトな印象に代わる。「B&Wのツィーターの音がきつく感じるクラシックファンの方は(この8k㎐での-補正が)いいと思います。ちなみに「8k㎐はジャズのシンバルの音の補正に向いてます」との事。

(注)+3、-3の補正は、補正のし過ぎになるかもしれない。「トーン・コントロールの効果を実感するために、あえて3にして今回は聴きます」と店主のお断りがあります。

店主は今年は出ません。去年は出ましたが…。