オーディオ・ベースマン見たり聴いたり アキュフェーズ C-290V その⑥・・プリアンプがシステムの音を支配する。

オーディオ・ベースマン見たり聴いたり アキュフェーズ C-290V その⑥・・プリアンプがシステムの音を支配する。

オーディオ・システムの音質を決定するのはプリアンプ。電気信号を人は聴くことができない。その電気信号を人が聴くことができる音として出力できるのはプリアンプだけ。アキュフェーズ・プレシジョン・ステレオ・プリアンプ・C-290V。1998年発売。ボリュームにはCP(コンダクティブ・プラスチック)素子を抵抗体に使用した超高音質4連型を採用。C-290Vは、ボリューム・コントロールAAVA(Accuphase Analog Vari-gain Amplifier)を搭載のC-3900と比べどのように聴こえるのか再び比較試聴した。

やはり、スピーカーの間にラックを置くのは音質的に不利。ちょっとセンター付近で音がぼやける。

帯域の広さ・①、解像力・①、音の背景の静けさ・①、高域表現(伸びすぎず、詰まらず)・②、中間表現(膨らまず、こもらず、痩せず)・③、低域表現(締まり)・③、コントラスト・①、制動力(歪みがない感じ)・②、透明感・ー①、繊細性・①、質感・密度・③、音の輪郭・やや淡く太い。音の出足、スロモー。音の鮮度・上(極=C-3900、特、上、並の評価で)、デザイン・③、音楽の感銘度・②。特長、音のつながりの自然さ。楽器、声の質感が似ている。難点、ソプラノではビブラートが聴こえない。楽器の音が固まる。音の強弱がない。平坦な音の表現。音楽の背景にくもりがある。新鮮味、透明感ともに皆無。C-3900に比し、2ランク音の鮮度が落ちる。適性、独奏楽器、独唱。、290Vが唯一3900に対抗できる要素は、楽器の音、人の声に似ているかという点だろう。その要素でも3900を超えることは無いが同等ぐらいには聴こえる。ソプラノ歌唱を聴くと400㎐から800㎐まで音程が上がる際、音の繋がりは3900より290Vの方が自然、実演に近い。その帯域、290Vは「ハッキリ、クッキリ、スッキリ」とした3900の印象には及ばないが3900は`ギザギザのデジタル模様´に聴こえ、ぎこちなく違和感を感じる。このことから「まだ、まだこのプリでいいかな」と感じた。

大きい音、小さい音、音量調整はプリアンプのみで行われる。その聴こえた音を基にして我々は性能を評価、音質を判断、音色を理解する。音の背景が静か、SN比が高い、低歪みといった`性能´、「ハッキリ、クッキリ、スッキリ」とした`音質´の二つの要素は、聴き比べで客観的に理解、判断できる。が、「柔らかい⇔硬い、暖かい⇔冷たい、直線的⇔曲線的、きめ細かい⇔大らか」などといった`音色´は各個人により聴こえ方が違う。`音色´に対する好みも違う。再生音の`音色´を左右するのはスピーカー(SP)であることに異論は無いが、音量を制御するプリアンプの役割は重要だ。プリアンプは、「性能、音質、音色」の三つの要素とも自身にとって満足のできるものを選びたいが、それはままならない。その時は私の好みを反映する音色で僕は選択する。

年に一度の健康診断。聴力検査を受けて思った。高い音が聴こえないわけではない。でも、「あれ?。`ピー´の音がハッキリ、クッキリ、スッキリと聴こえない。曇って聴こえる。昔はもっと明確に、しっかり聴こえたのに」。そして、最近、周囲に雑音が多いと小さな音が聴きとりづらくなった。老化がひしひしと進行している事を実感する今日この頃…(笑)。

2024年8月26日のNHKのニュースを見てたら興味深い内容のニュースがあった。引用されていただくと「健康診断などで行われる一般的な聴力検査の結果が同じ程度の人でも高齢であるほど言葉が聞き取れないという調査結果を東海大学などの研究グループがまとめました」。このことからも音の「聴こえ方」は人により違うケースがあることが判る。へへへっ。もっと年をとったら話しかけられても自分に都合の悪い事は聴こえないフリしよう。