日本酒 酒徒礼讃 岩手県陸前高田市 特別純米酒 多賀多・・杜氏の「どうだ!」という声が聴こえる逸品

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特別純米酒 多賀多。酒盃・江戸前期美濃「綾部菊花文筒向う見立て酒盃」。後ろの杉は、樹齢数千年の杉の切り株のド真ん中に根をおろした。陸前高田の「奇跡の一本松」も凄かったが、この杉も生命力旺盛だ。自然界の生存競争の苛烈さを具現化した早池峰神社の奇跡

特別純米酒 多賀多。

これは美味い。口に含んだ瞬間軽い酸味が。飲み込む始めるとやや甘いともとれる旨味が現れる。と思うと「グッ、グッ、グッ」と酸味が強まる。三段構えの酸味。杜氏の「どうだ!」という声が聴こえる。その手ごたえ(?)、感覚は釣り竿で魚をかけた時のごとし。「クッ、クッ、クッ」と引きの強さが徐々につよくなるのと一緒。口の中に広がった酸味、その中心には「陸前高田ひとめぼれ」の旨味の余韻を濃厚に堪能させて酒が終わる。杜氏、乾坤一擲いや十全にその腕を振るった逸品だ。

酒名、「多賀多」は当て字のような気がする。言わんとする所は理解できますが。使用できれば「高田」と率直に表現したほうがいいような気が・・。

岩手県陸前高田市高田町字大石一の一 酔仙酒造㈱ 特別純米酒 多賀多 1.296円。