オーディオ・ベースマン見たり聴いたり トライオード TRK-3488・・「これは、これで、いい」。

トライオード (TRIODE) TRK-3488。真空管アンプキット。完成品は、16万円ほど。キット品は、10万円ほど。KT88仕様が11万円ほど。

自分で組み立てができる。「大人しいオーソドックスな正統調」の音質。躍動感のあるTRV-88SEとは正反対。なめらかな芸術調、解像度の高いハッキリ、クッキリ聴こえる写実基調といった特徴は感じられない。

帯域は広くない。解像度、高域特性、SN比といったオーディオ的に要求される性能で見るべきもの、あっ、いや、聴かせる要素はない。ただ、低域から高域まで、均等なトーンで構成して音楽を再生する。「少々、退屈」かもしれないが、オーディオ的性能を求めなければ、「これは、これで、いいのでは」と思わせる。中低域のエネルギー感を前面に出し、躍動感で迫る音質に、やや、疑問をもち、「僕は、音楽だけを聴きたい」と考える音楽愛好家には向いている。

トライオードのアンプは、帯域は狭いが、その帯域の中に突出した部分、極端に張り出している音域を極力ださない回路設計をしていると思う。TRV-88SEは中低域のエネルギー強いが、それでも全体的な帯域は整っている。「音が痩せない」ということに尽きる。

アキュフェーズE-270と比べたが、酷な比較だったと思う。が、オーディオ的表現に飽きると、特徴に欠けるトライオードの音質の方が、無理に音楽を聴かせないと感じた。