日本酒 酒徒礼讃 岩手県紫波 廣田酒造店 「丹頂正宗」・・辛口が少ないとお嘆きの貴兄に

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ぐい呑み:桃山古唐津「朝鮮唐津筒酒盃」 徳利:桃山期古備前「古備前窯変肩衝徳利」 どちらも、年月に打ち勝った素晴らしい色合い。

香りは、米が今でも発酵しているかのよう。日本酒が米に由来した酒であることを再認識させる。

純米辛口を標榜しているだけに、酸味が強く、しかも旨味がほんのりと酸味の周りを漂う。日本酒は酸味の中に旨味を閉じ込めることが多いが、酸味の外側で旨味を味わえるのはめずらしい。旨味が去った後は、再び酸味を味わえる。酸味が強い分、飲み手を選ぶだろう。

「・・・昔ながらの仕込みで醸した手作りの・・」と裏ラベルに記してあるが、その通りの酒である。

「辛口の酒が少ないとお嘆きの酒徒にもってこい」。値段も約千円と懐にも、もってこい。

廣田酒店 岩手県紫波郡紫波町宮手字泉屋敷 2-4

「丹頂正宗」(タンチョウマサムネ) 1.166円

写真の「古備前窯変肩衝徳利」は、 ヤフーオークション mukashigatarisorekaraさんから分譲。以下は、その方の説明文です。

被せ焼をしたせいと思いますが、強い緋色の「赤焼け」がうつくしく発色しているところへ、半面に「桟切り(榎肌も)」が豊に出ています。これは、室町から桃山時代へと古備前がもっとも優れた茶陶酒器を焼いた時代の懐石お預け徳利の代表格ですが、「板起こし」にした底造りの表情も素晴らしいものです。窯印はありません。ー「板起こし」-「備前焼は、桃山時代になると丁寧に平らに板起こしして、入念に製作され、優秀な茶器がこの手法でつくられた」(矢部良明=角川日本陶大辞典)・・・この徳利の形が物凄く好きです。ほとんど盤口といっていい切れ味鋭利の口から首にかけてのラインと豊かなボディ。同時代、古備前辣韭(らっきょう)徳利と古備前史上双璧をなすものです・・・。